ダイハツ工業の認証試験不正問題を巡り、国土交通省は16日、特に悪質な不正行為が確認されたとして、同社の「グランマックス」など3車種で、大量生産に必要な国の認証「型式指定」を取り消す手続きを開始したと発表した。同省は同日午後、同社の奥平総一郎社長に是正命令書を手渡す。
 グランマックスの他に取り消しの対象となるのは、トヨタ自動車にOEM(相手先ブランドによる生産)供給している「タウンエース」と、マツダに供給している「ボンゴ」。23日にダイハツから意見を聞く「聴聞」の手続きを経た上で、正式に処分を決める。
 斉藤鉄夫国交相は16日の閣議後記者会見で、「日本の製造業の信頼に関わる大きな問題だ」と指摘した。
 同省によると、ダイハツは3車種の型式指定申請の際、車両の前面衝突試験で、本来はセンサーが衝突を検知して作動するエアバッグをタイマーで作動するように不正な加工をしていたという。
 同省は昨年12月、道路運送車両法に基づき、大阪府池田市のダイハツ本社に立ち入り検査し、不正行為があった試験データ記録の確認や関係者への聞き取りなどを行っていた。
 同社は昨年12月、第三者委員会の報告書で不正があったと発表。国内で全車種の出荷を停止している。 
〔写真説明〕ダイハツ工業の看板

(ニュース提供元:時事通信社)