経済安全保障上の機密情報を取り扱う資格者を政府が認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度の創設に向け、政府の有識者会議は17日、最終案をまとめた。機密情報の漏えいや不正取得の罰則について、特定秘密保護法が定める懲役10年以下と同水準が適当だと結論付けた。政府は26日召集の通常国会に新たな法案を提出する方針。
 最終案は、サイバー攻撃対策やサプライチェーン(供給網)上の脆弱(ぜいじゃく)性などに関する機密情報を、重要度に応じて複数段階に区分。このうち、上位2段階の「トップ・シークレット」「シークレット」を漏えいした場合の罰則について、「特定秘密保護法の法定刑と同様の水準が適当」と明記した。
 資格を付与する対象者の身辺調査は、プライバシー保護の観点から本人の同意を得た上で実施する。調査項目は特定秘密制度と同様に犯罪・懲戒歴や精神疾患、飲酒の節度などが想定される。調査結果は、身辺調査を実施する行政機関が一元的に管理する。 

(ニュース提供元:時事通信社)