【ロンドン時事】「ドイツにゾウ2万頭を送ろう」。アフリカ南部ボツワナのマシシ大統領は、独政府が検討している狩猟品の輸入規制に反発して申し出た。独紙ビルト(電子版)が2日、伝えた。
 独環境省は、「ハンティング(狩猟)トロフィー」と呼ばれる狩猟した野生動物のはく製や角、毛皮などの輸入規制を強化する動きを見せている。ゾウの過剰繁殖を訴えるマシシ氏はビルト紙に対し、「レムケ独環境相は、狩猟せずにゾウと共存する方法を示すべきだ」と強調。その上で「2万頭の野生のゾウを提供しよう。これは冗談ではない」と語った。
 ボツワナには現在、13万頭超のゾウが生息し、年間6000頭増えている。マシシ氏によると、ゾウによって住民が踏み殺されたり農作物が荒らされたりする被害も起きているという。
 マシシ氏は、狩猟トロフィーの輸入を禁止すれば「貧困と密猟を助長する」と指摘した。動物福祉団体によれば、ドイツは欧州連合(EU)最大の狩猟トロフィー輸入国という。 
〔写真説明〕ボツワナ北部のオカバンゴ・デルタを歩くゾウ=2019年9月(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)