【ワシントン、イスタンブール時事】米ABCテレビは18日、米当局者の話として、イスラエルがイランに攻撃を行ったと伝えた。イランの複数のメディアによると、中部イスファハンの軍事施設近くで3回の爆発音が聞こえたほか、周辺では複数のドローンが撃墜されたという。イランが13日に行ったドローンや巡航・弾道ミサイルによる対イスラエル大規模攻撃の報復とみられる。
 被害の詳細は不明だが、イスラエルの攻撃で甚大な被害が生じれば、イランが対抗措置としてイスラエルへの軍事行動に再び踏み切り、本格的な衝突に発展する恐れもある。
 イスファハン州にはウラン濃縮活動を行うナタンズの核施設などがあるが、米メディアによれば標的にならなかった。イランのメディアによると、同州など幾つかの州で防空システムが作動。首都テヘランのほか、北、中、西部を中心に航空機の離着陸が中断されている。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、イランの当局者3人はイスファハン近くの空軍基地が攻撃されたと確認した。ただ、イラン国営メディアは「現時点で大規模な攻撃や爆発は報告されていない」と報道。核施設についても、安全は確認されていると報じた。
 AFP通信は、イスラエル軍関係者が「現時点でコメントはない」と述べたと伝えた。
 米メディアによると、イスラエルは18日、米政府に対し、24~48時間以内にイランへの反撃を行うと事前に通告していた。ただ、米側は反撃に賛同しなかったという。 
〔写真説明〕イラン中部ナタンズにある核施設=2019年11月、同国原子力庁提供(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)