本当にできてる? あたり前のセキュリティ
第1回:サイバーリスクを考える

本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2024/09/12
これだけは社員に伝えておきたいリスク対策
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
企業を取り巻くリスクにはさまざまなものがありますが、企業のリスク担当責任者は、どのリスクを選び、それを従業員にどのように伝えるべきか、またどこに注意するべきか、日々悩んでおられるのではないでしょうか。
地震や台風などの自然災害リスクについてはもちろんのこと、連休や長期休暇の季節であれば旅行・帰省にあたって安全運転の励行、また、感染症の季節になれば手洗い・マスクの着用などが考えられます。
この連載では、これだけは社員に伝えておきたいリスク対策をテーマに話題提供します。
サイバーリスクという言葉はもちろん聞いたことがあると思いますが、具体的にはどのようなことを指すのでしょうか。
例えば、外部からのサイバー攻撃を受けて、企業から機密情報が漏れてしまう、また従業員が誤って事業に不可欠な情報を漏らしてしまうことで、企業が被る損害のことです。
企業の機密情報を狙ったサイバー攻撃を受け、それを許してしまった場合、自社の機密情報が漏れるだけではなく、改ざんや消去といったリスクも考えられます。また取引先や顧客の信頼を失うとともに、個人情報保護法違反というトラブルも抱えることになります。
企業活動においてサイバーセキュリティが求められるには理由があります。それは、皆さんの日々の業務を少し振り返っていただければすぐにわかると思います。製造部門では生産管理情報が欠かせず、また営業部門では顧客情報が不可欠です。そして経理部門では、決済情報がなければ送金もできません。
つまり、企業活動に必要なほぼすべての情報が自社のサーバーに格納されていることで、そこがサイバー攻撃を受ければ、データの漏えい・改ざんによって、業務そのものが継続できないことになります。近年はサイバーリスクをカバーする保険も出ていますが、まずは被害にあわないために的確な対策を講じることが必要です。
これだけは社員に伝えておきたいリスク対策の他の記事
おすすめ記事
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方