2025/02/20
防災・危機管理ニュース
経済産業省は、中小企業などにおけるサイバーセキュリティ対策に関する実態調査の結果を公表した。同省では、独立行政法人情報処理推進機構を通じて、令和6年10月~12月にかけて、全国の中小企業等4191社の経営層に対するウェブアンケート及び、その中から21社の経営層に対するヒアリングを実施した。その結果、約7割の企業が組織的なセキュリティ体制が整備されていないことや、過去3期において情報セキュリティ対策投資を行っていない企業が6割にのぼることなどが明らかになった。今後、こうした結果も踏まえつつ、中小企業等の規模や業種等に応じて効果的なサイバーセキュリティ対策手法を示すガイドブックの策定や、サイバーセキュリティ人材の不足に悩む中小企業等と当該人材とのマッチングを促すための枠組みの整備、中小企業等の内でサイバーセキュリティ人材を育成し又は外部の人材を活用するための実践的な方策を示したガイドブックの策定などを実施していく予定としている。

「令和6年度中小企業実態調査」の結果概要
・約7割の企業が組織的なセキュリティ体制が整備されていない
・過去3期における情報セキュリティ対策投資を行っていない企業は約6割
・情報セキュリティ関連製品やサービスの導入状況は微増
・過去3期内でサイバーインシデントが発生した企業における被害額の平均は73万円(うち9.4%は100万円以上)、復旧までに要した期間の平均は5.8日(うち2.1%は50日以上)
・不正アクセスされた企業の48.0%が脆弱性を突かれ、他社経由での侵入も19.8%
・サイバーインシデントにより取引先に影響があった企業は約7割
・セキュリティ対策投資を行っている企業の約5割が、取引につながった
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/24
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
-
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方