事前の信頼関係が鍵

ジョエル:地方自治体との事前の信頼関係が不可欠ですね。

チャールズ:そうです。私たちの「利益」は、政府の許可を得ることではなく、「人々に支援を届けること」です。相手と価値観が違っても、共通の目的に向かって協力するべきです。

ジョエル:南海トラフ地震のような大規模災害では、民間企業の関与が重要になりますね。

チャールズ:実際に食品会社は一定の在庫を緊急用に確保しています。コストコもほとんどの都道府県と協定を結んでおり、災害時には水や物資をパレット単位で供給できます。これは無償提供ではなく、政府が購入する仕組みです。

ジョエル:東京の組織が他県と事前調整することは可能ですか?

チャールズ:難しいですね。どこに災害が起きるか分からないし、事前に配置されていない県にも柔軟に対応できる体制が求められます。現地の状況次第では、柔軟な対応が重要です。

JVOADの役割と課題

ジョエル:JVOADのような中間支援組織の役割も重要ですね。

チャールズ:JVOADは素晴らしい団体ですが、連携自治体の数が限られており、主業務が災害対応ではない場合も多い。彼らが「現地でのアクセス調整を支援します」と言える仕組みが、理想です。

ジョエル:本日のまとめとして、日本での「アクセス」の在り方について最後にお願いします。

チャールズ:アクセスとは、道路通行証の取得だけではありません。現地の文化や利害関係者との信頼関係を築くことが最も重要です。石巻での経験からも、支援相手の背景や感情を理解し、共感する姿勢が必要だと痛感しました。これは単なる一時的な会話ではなく、継続的な信頼構築のプロセスです。

ジョエル:ありがとうございました。また来月、続きをお話ししましょう。

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