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もし業務時間中に、1時間で100ミリの雨が降り、道路が川となり電車が止まったらどうなるでしょうか。数百人の従業員の安全を確保しつつ、重要業務を続ける判断が迫られる―これは決して“想定外”ではなく、現実に起こりうる状況です。

【旬なニュース】

気象庁は8月18日、東京都東久留米市付近で午後5時までの1時間に約100ミリの雨が降ったとみられるとして、東京都に記録的短時間大雨情報を出しました。


このような状況下で、もし皆さんの会社に記録的短時間大雨情報が発令されたら、どのような対応を取られるでしょうか。単なる雨ではありません。短時間で都市機能が麻痺し、交通の乱れと業務継続リスクが同時に押し寄せます。これは決して「想定外」ではなく、現実に起こりうる状況かもしれません。

今回のシナリオ:
記録的短時間大雨情報×交通麻痺×重要業務

【前提条件】
 場所:オフィス・工場・店舗・倉庫・施設等(従業員規模は問わず)
 天候:晴天から急変、猛烈な雨が発生
 時刻:平日の業務時間中
 社内状況:
・重要顧客対応・商談・接客業務
・新製品発表準備・企画業務
・製造ライン・店舗運営・事務処理等の主要業務が稼働中
・来訪中の顧客・取引先・現場作業員、外出先から戻る職員も施設内に滞在

【シナリオ】
ある平日の3時ごろ、あなたの会社がある〇〇市では、猛暑だった天候が急変し、猛烈な雷雨が振り出しました。気象庁からは、記録的短時間大雨情報が発表されました。刻一刻と現実の危機に変化していく中で、会社では、社員や来訪中の顧客などの安全を確保するとともに、通常業務を継続すべきか判断が迫られています。

【開始時刻(15:00)】
気象庁から記録的短時間大雨情報発表。「現在、1時間雨量120ミリの猛烈な雨が降っています」。これは予測ではなく現在進行形の状況。

【5分後(15:05)】
最寄り駅のアンダーパスで冠水が始まり、水位が急速に上昇。JR・私鉄各線が緊急運転見合わせを相次いで発表。

【15分後(15:15)】
会社周辺の道路が急速に冠水。駐車場への浸水が始まる。タクシー・バス会社も緊急営業停止を発表

【20分(15:20)】
気象庁から追加情報「猛烈な雨は継続中。さらに1-2時間継続する見込み」。復旧時刻は完全に未定の状況。

 

【追加で発生する課題】
・担当者が「記録的短時間大雨情報(1時間雨量120ミリ超)」を受信後、わずか10分以内に道路冠水が始まり、膝下まで水位が上がる浸水被害が顕在化。

・交通機関では最寄駅の改札封鎖、バス路線の一部運休、道路の渋滞や通行止めが発生。

・その後、気象当局から「今後1~2時間の雨の継続と、線状降水帯形成の可能性」が発表され、敷地内や駐車場でも冠水・排水不良が起き始める状況になっています。