2025/07/24
防災・危機管理ニュース
富士通は24日、一般のドライバーが有償で客を送迎する「ライドシェア」を普及させるためのシミュレーション技術を名古屋大学と共同開発したと正式発表した。地域住民が利用をためらう心理的要因を分析し、人工知能(AI)で課題解決の方策を探る。2026年度中に実用化し、高齢化やドライバー不足で移動手段の確保に悩む地方自治体、事業者への導入を目指す。
ライドシェアや予約型乗り合いタクシーといった新サービスは、使い方が分からないなどの心理的なハードルも普及を妨げる一因。新技術は住民アンケートを基に課題を分析し、人間の行動を予測するAI技術を使ってどのような手段が利用率の向上につながるか、デジタル空間上で検証する。
奈良県川西町で検証したところ、アンケートでサービスや便利さが十分に知られていないことが判明。予算や台数といった制約の範囲で、最も効果的な広報活動や車両配備をAIシミュレーションで探った結果、「仮想町民」の乗車ニーズが20%アップした。
名古屋大の森川高行特任教授はライドシェア普及に向け、「地域ごとに適切な移動手段を提供することが必要だ」と指摘。富士通は今後、医療やまちづくりなど幅広い分野に新技術を応用する考えだ。
〔写真説明〕富士通が開発したシミュレーション技術の画面(同社提供)
(ニュース提供元:時事通信社)

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