三陸沖で地震活動が活発化している。11月9日にはマグニチュード(M)6.9の地震が発生し、岩手県沿岸で津波が観測された。その後も地震活動が続いている。政府の地震調査委員会は13日の定例会合で、一連の活動にはプレート境界がゆっくりとずれ動く「スロースリップ」が関係している可能性を指摘した。

 スロースリップとは、海溝付近などのプレート境界で、数日から数カ月という長い時間をかけてゆっくりとずれが進む現象のこと。通常の地震のような急激な断層破壊は伴わないが、周囲の応力状態を変化させることで、地震活動を誘発することがあるとされる。今回の三陸沖では、9日のM6.9の地震に先立ち、小規模な地震や微動が確認されており、こうした観測結果がスロースリップの発生を示唆しているという。今回の震源周辺は、過去にも大規模地震が連続して発生しやすい「続発領域」とされる地域とされる。委員会では、引き続きの注意を呼び掛けている。