【ワシントン、カイロ時事】トランプ米大統領は2月28日、米国とイスラエルが同日イランに対して行った大規模軍事作戦で、最高指導者アリ・ハメネイ師(86)が死亡したと発表した。イラン側も声明で、同師の死去を確認した。作戦は1日も続いており、イスラム教シーア派の宗教指導者を頂点とするイランの体制が大きく動揺するのは必至だ。イラン情勢は重大局面を迎えている。
 トランプ氏はSNSで、ハメネイ師を「歴史上最も邪悪な人物の一人」と非難。「彼はわれわれの高度に洗練された追跡システムを逃れることができなかった」と説明した。その上で、イラン国民に「自らの国を取り戻す最大の好機だ」と蜂起を呼び掛けつつ、軍事作戦は「中断することなく続く」と強調した。
 一方、イラン国営通信は1日、ハメネイ師が2月28日に首都テヘランで執務中、「米国とシオニスト体制(イスラエル)の攻撃で殉教した」と報道。死去に伴い40日間の服喪に入ると宣告した。ハメネイ師の娘や義理の息子、孫ら親族も死亡したと伝えられる。
 イスラエル軍はナシルザデ国防軍需相や精鋭軍事組織「革命防衛隊」トップのパクプル司令官ら7人を殺害したと発表した。イランメディアによると、軍のムサビ参謀総長も死亡。ペゼシュキアン大統領や最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は生存しており、報復を誓った。
 中東地域を管轄する米中央軍によると、軍事作戦は米東部時間28日午前1時15分(日本時間同午後3時15分)に開始。イランの防空システムやミサイル発射装置など約500の標的を、大量の航空機で一気に攻撃した。
 報道によれば、攻撃はテヘランや北西部タブリーズ、中部イスファハン、南部シラーズなど広範囲にわたった。イラン31州のうち24州が被害を受け、全土で200人以上が死亡したという。
 イランは報復攻撃を継続。イスラエルに加え、米軍が駐留するサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、バーレーン、クウェート、イラク、ヨルダンに向け、ミサイルなどが発射された。ほとんどが迎撃されたが、一部着弾したとみられる。
 報道によると、1日時点でイスラエルで少なくとも10人が死亡。UAEでも少なくとも3人、クウェートで1人が犠牲になった。中央軍によると、作戦で米兵3人が死亡、5人が重傷を負った。対イラン作戦で米兵に死傷者が出たのは初めて。 
〔写真説明〕イランの最高指導者ハメネイ師=2月19日、テヘラン(AFP時事)
〔写真説明〕2月28日、イランの首都テヘランで攻撃を受け、黒煙が上がる最高指導者ハメネイ師の関連施設(衛星画像より)(ロイター時事)

(ニュース提供元:時事通信社)