内閣府防災担当は3月31日、「企業の事業継続及び防災の取り組みに関する実態調査」を公表した。調査によると、大企業におけるBCPの策定率は前回(2007年度)比6.8%増の60.4%。中堅企業では同比4.6%増の29.9%だった。「策定中」「策定を予定している」と回答した企業を含めると、大企業では92%、中堅企業では72.2%となった。

調査は2007年度から隔年で実施し、今年で5回目。調査開始時は「BCPとは何かを知らない」中堅企業が61%だったが、今回の調査では7%まで減り、関心の高さがうかがえる一方で、政府は2020年までに大企業のほぼ100%、中堅企業の50%のBCP策定割合の目標を掲げており、実現に向けた対策が急務となっている。

調査は今年1月21日から2月29日まで行われ、調査対象5070社に対し、1996社から有効回答を得た。企業規模の内訳は大企業861社、中堅企業556社、そのほか企業が579社。

今回から追加した「企業活動を取り巻くリスクを具体的に想定して経営を行っているか」との質問に対しては、大企業85.4%、中堅企業60.8%が「行っている」と回答した。

対策を行っている企業に対し、「想定しているリスク」を質問したところ、大企業では「地震・台風などの自然災害」(98.3%)が最も多く、「新型インフルエンザ等の感染症」(70.6%)、「外部委託先のサーバー・データセンター等情報システムの停止」(66.8%)と続いた。中堅企業では1位2位は大企業と同じだったが、3位に「通信(インターネット・電話)の途絶」が入った。

調査を公表した内閣府参事官政策統括官(防災担当)付の齊藤馨氏は「内閣官房国土強靭化推進室が実施する政府による企業のBCP認証制度などとも連携し、企業のBCP策定をさらに加速していきたい」としている。