高市首相は国連総会に初登壇し、演説を行った(イメージ写真:Adobe stock)

激動からリスクを読み取る

国際社会の激動を認識し、そこからリスク情報を読み取り、日常の活動や判断に活かすのは現代社会において必要不可欠だろう。そういう意味において、最近、大きな外交の流れがあった。日本国の高市早苗首相の国連総会での演説と、その訪米時に行われた日米首脳会談、その後に続いた米中首脳会談と、大きく動いた外交を題材にして少しだけ考察してみたい。

まず、国連演説。日本のメディアの報道だけ見ていると都合の良い切り取りの疑いもあるので、是非、一次情報でもある演説の全文に目を通して頂きたい。

私が全文を要約すると以下の様になる。

  • ①世界の平和と安定、国際社会の課題を乗り越えるため、国連の機能は重要なのに、国連は機能しておらず、改革が必要である。

    ②最大の問題は安保理にあり、常任理事国(露・中・米など)による秩序崩壊行動が国際社会の平和を損なっている。

    ③旧敵国条項の削除は国連総会にて決議採択されているが、未だに削除されていない。早急に削除されるべきであり、国連憲章の見直しが必要である。

    ④国連改革、国際社会の課題解決に日本は、これまでも貢献してきており、今後も大きな責任を果たす。

 

この要約が唯一無二であるという驕りは無い。是非皆さんも、全文を読んで頂き、懐かしい国語の長文読解問題として要約を試みてもらいたい。

さて、多くのメディアで上述の様な解説報道をしている所があるだろうか。多くが、「法の支配」が守られる世界を目指すべきだと訴えた演説の一部だけを前面に出していたように私には思えた。さらに、トランプ大統領の演説にあった「ICCを皆で脱退しよう」という発言と対比して、対立構造をあげつらっていたのではないだろうか。

ホトトギスの扱い方には、戦国時代の三英傑の性格がよく表れているとされる(写真:Adobe stock)

はっきり申し上げよう。私には、トランプ大統領の発言と並べてみると、両者とも同じことを異なる視点で語っているに過ぎず、方法論の違いでしかないと感じられる。この解釈は、ICCの実情、つまり、米・中・露などの主要国が加盟できない実態に問題の本質を顧みれば自明であろう。米国としては、そんな問題ある組織で法の支配などできる訳がないと主張し、一方、日本は、それ故に、大国が加盟できる本当の意味において国際社会の法の支配を実現しよう、と訴えているのである。

それは、「泣かぬなら殺してしまえ」と「泣かぬなら泣かせて見せよう」という方法論の違いであり、戦勝国による報復裁判を行った側と、その被告にされた日本という立場の違いとも言えるのかもしれない。