信頼関係の大切さ

今回の航空会社の飲酒事案をうけて、航空業界の飲酒検査が厳しくなるでしょう。JALもANAも信頼を回復するために努力するといった内容のプレスリリースを出しています。信頼回復の相手は乗客だけではありません。保安検査員の信頼を回復する努力もしてほしいと思います。保安検査場では日々お客様に怒鳴られながらも、保安検査員が丁寧に検査を行っています。自分たちがしっかりと検査をして危険物を取り除けば、機長以下の乗員がその安心を担保に安全にお客様を目的地まで運んでくれるという、航空機の安全運航のための信頼関係があるからです。飲酒により、航空会社は「お客様の信頼を裏切り…」というお詫びを出しましたが、保安検査員からの信頼を裏切ったということにも気づいてください。

お客様を目的地まで安全に送り届けるために航空セキュリティは存在しますが、そこに関わる人間が1人でも不安全行動をとれば、セキュリティ体制は簡単に崩れてしまいます。今回の飲酒問題は今まで日本が丁寧に培ってきた航空セキュリティのもろさを浮き彫りにしました。航空機の乗員たちが、人を乗せてその命を預かっているという責任の重さを背負えないと感じるのであれば、酒に頼るのではなく、乗務を降りるという勇気をもってください。航空会社はもう二度と、お客様とのそして保安検査員たちとの信頼関係を崩すようなことはしないでほしいと思います。

この記事が出た後に、まさか保安検査員の飲酒問題などが出ませんように。