2019/01/31
セキュリティ文化の醸成と意識の高度化 ~2020年に向けて私たちにできること~
信頼関係の大切さ
今回の航空会社の飲酒事案をうけて、航空業界の飲酒検査が厳しくなるでしょう。JALもANAも信頼を回復するために努力するといった内容のプレスリリースを出しています。信頼回復の相手は乗客だけではありません。保安検査員の信頼を回復する努力もしてほしいと思います。保安検査場では日々お客様に怒鳴られながらも、保安検査員が丁寧に検査を行っています。自分たちがしっかりと検査をして危険物を取り除けば、機長以下の乗員がその安心を担保に安全にお客様を目的地まで運んでくれるという、航空機の安全運航のための信頼関係があるからです。飲酒により、航空会社は「お客様の信頼を裏切り…」というお詫びを出しましたが、保安検査員からの信頼を裏切ったということにも気づいてください。
お客様を目的地まで安全に送り届けるために航空セキュリティは存在しますが、そこに関わる人間が1人でも不安全行動をとれば、セキュリティ体制は簡単に崩れてしまいます。今回の飲酒問題は今まで日本が丁寧に培ってきた航空セキュリティのもろさを浮き彫りにしました。航空機の乗員たちが、人を乗せてその命を預かっているという責任の重さを背負えないと感じるのであれば、酒に頼るのではなく、乗務を降りるという勇気をもってください。航空会社はもう二度と、お客様とのそして保安検査員たちとの信頼関係を崩すようなことはしないでほしいと思います。
この記事が出た後に、まさか保安検査員の飲酒問題などが出ませんように。
セキュリティ文化の醸成と意識の高度化 ~2020年に向けて私たちにできること~の他の記事
おすすめ記事
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/19
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方