大船渡報告(その7)・・低地の活用と浦浜・泊のまちづくり(5月25日のFBより)
室﨑 益輝
神戸大学名誉教授、ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長、兵庫県立大学防災教育研究センター長、ひょうごボランタリープラザ所長、海外災害援助市民センター副代表
2016/05/25
室﨑先生のふぇいすぶっく
室﨑 益輝
神戸大学名誉教授、ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長、兵庫県立大学防災教育研究センター長、ひょうごボランタリープラザ所長、海外災害援助市民センター副代表
報告したいことや報告しなければならないことが、ヤマのようにあって、出口が見えません。この大船渡報告が落とし穴の深みにはまってしまいました。といっても、今は、熊本にしっかり、目も心も向けていかねばならない(東北のこと決して忘れていません)ので、今回と次回でおしまいにしようと思います。
大船渡の取り組みで特筆すべきは、津波被害にあって災害危険区域指定されてしまった「低地の活用」に、地域づくりの運動として、真剣に取り組まれていることです。そこでは、大企業を誘致しようというような浮ついた話はありません。
地域の良さを再確認し、暮らしとのつながりを意識し、地域の未来にリアリテイを見出そうとされています。その代表例が、越喜来の浦浜・泊まちづくり委員会の取り組みです。
慰霊の場はもとより、記憶を伝える場、子供たちの遊びの場、楽しめる散策の場などがちりばめられた、低地利用の取り組みがいきいきと展開されています。農地利用やバイオマスエネルギーもしっかり盛り込まれています。
大王杉もど根性ポプラも、頑張っています。震災の記憶を伝える「手作りミュージアム」としての「潮目」も素敵です。潮目には、越喜来小学校の子供たち全員の命を守った階段がさりげなく、置かれていました。
室﨑先生のふぇいすぶっくの他の記事
おすすめ記事
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/28
月刊BCPリーダーズ2025年上半期事例集【永久保存版】
リスク対策.comは「月刊BCPリーダーズダイジェスト2025年上半期事例集」を発行しました。防災・BCP、リスクマネジメントに取り組む12社の事例を紹介しています。危機管理の実践イメージをつかむため、また昨今のリスク対策の動向をつかむための情報源としてお役立てください。
2025/10/24
「防災といえば応用地質」。リスクを可視化し災害に強い社会に貢献
地盤調査最大手の応用地質は、創業以来のミッションに位置付けてきた自然災害の軽減に向けてビジネス領域を拡大。保有するデータと専門知見にデジタル技術を組み合わせ、災害リスクを可視化して防災・BCPのあらゆる領域・フェーズをサポートします。天野洋文社長に今後の事業戦略を聞きました。
2025/10/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方