お客様の安全を守るプロダクトコンプライアンス

フィジカルな現場の安全を守るだけでなく、お客様の安全を守ることも非常に大切な業務となります。アマゾンは非常に幅広い商品群を有するサイトです。アマゾンが直接仕入れて販売するものは当然ですが、多種多様な販売者たちが取引をするアマゾンでは、お客様の安全を第一に考えています。当然リコールがかかったり、さまざまな規制対象になったものは素早くサイトから削除するなどの対策は日頃から行われていますが、それ以外にも、コピー品や規制品目がサイト上で売買されないように事前のチェック体制の確立も欠かせません。そういった商品に係る様々な対応をしているのがプロダクトコンプライアンスチームです。こちらの組織は基本は、本社に担当マネージャーを含め数人の担当者が存在するだけですが、実際のFCでのさまざまな施策の実施は、安全・保安担当がその責務を負う形となります。倉庫内の可燃物品の容量確認や医薬品などの規制対象商品に関してなど、安全担当が対応をすることも非常に多く存在します。お客様の安全を確保するための業務は終わりがありません。


社員に徹底させるラーニングチーム

さまざまな施策やルールづくりをするだけでなく、それを現場に落とし込むことが非常に大切になることは言うまでもありません。そこで活躍するのがラーニングチーム、教育部門です。このチームは倉庫内で必要なさまざまなルールや行動規範などを現場に落とし込むための専門部隊で、実際にトレーニングを施すだけでなく、トレーニング資料から実際のトレーニングの仕方、また効果的な指導の方法などを立案する舞台でもあります。その中で特に気を使っていることが標準作業とマーケティングです。標準作業は皆さんもご理解いただけると思うのですが、なぜマーケティング?と思われるでしょう。実はこのマーケティングが非常に重要で、いかに多くの社員にメッセージを届けるのかということを重視しています。表示の統一や構内で色が持つ意味(緑の線は歩行帯など)、またメッセージの出し方やタイミングなども非常に重要です。クリスマス繁忙期、新人社員のあふれるアマゾンFC内は、トイレも含めさまざまな場所で安全に関する表示が増えてきます。ただ貼ればいいわけではない、効果的に配置し、頭の中に刷り込むためにはどうすればいいのか、そういったことを考えている部隊がラーニングチームです。

このように、アマゾンが大切にする仕組みを支えるには組織のあり方が非常に重要であるということがお分かりいただけたでしょうか? もちろん全ての会社でこのようなリッチな組織を作ることは難しいと思います。ただ複数の業務の掛け持ちで確立できるほど安全は優しいものではないとご理解いただけるのではないかと思います。是非、安全の責任者を置くことから始めてみてはいかがでしょうか。

(了)