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会議でもセーフティ・ファースト

前回コンシューマビジネスのCEOであるJeff Wilke(ジェフ・ウィルケ)が安全の文化をアマゾンに持ち込んだという話をさせて頂きました。その中で取り上げたSPACER、これはS=Safety(安全)、P=Purpose(目的)、A=Agenda(議題)、C=Code of Conduct(行動規範)、E=Evaluate(評価)、R=Roles(役割)という構造で会議を行っていくというものですが、その先頭にあるのがSafety(安全)です。アマゾンのオペレーション部門の会議では常に安全から始まります。それは実際にどのようなものなのか、会議の光景を交えながら説明させて頂きます。

ある会議の光景

ミーティングの時間となり参加メンバーが会議室に集合してくる。サプライチェーンをコントロールする部門や配送部門の主要メンバーが参加し賑わいを見せる会議室には大きなテレビ画面が設置されている。アマゾンのオペレーションは全国津々浦々で行われているために、会議もテレビや電話を使って行われている。そのため、日本各地の物流拠点であるフルフィルメントセンターのリーダーたちが続々と参加してくる。会議の始まる前はとてもアットホームで、画面を通してお互いにさまざまな会話がされている。全てのリーダーたちが集合した時点で、その日の議事進行の担当者が口火を切る。

「それでは会議を始めます。まずは参加者の確認からです。市川FCいますか?」

次々と倉庫の名前が呼ばれ、それぞれのリーダーが返事をしていく。そしてすべてが確認された後司会者はおもむろに切り出す。

「はい、それではSafety Tips(セーフティー ティップス)をお願いします」

「はい、こちらD倉庫です。最近気温がだいぶ高くなってきており、倉庫内もだいぶ暑くなってきました。服装の調整だけでなく、こまめな水分補給と同時に塩分の補給も心掛けてください」
(ちなみにこの熱中症予防のSafety Tipsはあまりに多くの人が言うので、6月から9月まではこれ以外を発表することが義務付けられています)

「ありがとうございます。それでは本日の議題に入りたいと思います…」

以上のように、アマゾンのオペレーションの会議では、まずSafety Tips=安全に関する秘訣や、ためになるアイデアから始まるのです。
では、引き続き会議の様子を紹介いたします。