(写真:Shutterstock)

2003年3月20日、“衝撃と畏怖”爆撃作戦が米国主導の多国籍軍によるイラク進攻の合図となった。3週間後、21日間の激しい戦闘の末に米国、英国、オーストラリア、ポーランドから派遣された18万人の部隊がイラク軍を圧倒し、サダム・フセイン政権を倒した。

2003年5月1日、ジョージ・G・ブッシュ大統領は航空母艦エイブラハム・カーンの甲板から、“任務完了”と書かれた巨大な垂れ幕の前で国民に向けて演説した。

大統領および国民にとって不運にも、イラク戦争の軍人と民間人の大多数の死傷者数は後に明らかとなる。

侵攻の直後、イラクのアルカエダ(AQI)が、国連職員、治安部隊、イラク民間人をターゲットにして一連の自爆攻撃を開始した。数週間が過ぎて反政府活動は拡大し、カオスを戦闘地域のパラレルな宇宙に注入した。

AQIの無慈悲な指導者であるアブ・ムサブ・アル・ザルカウィの目的は、イラク戦争の核心である宗派対立をさらに深めることであった。

カオスの中へ

2003年9月、スタンレー・マクリスタル少将がイラク、バラドの統合作戦基地内に本部を置いた統合特殊作戦タスクフォース(以後、タスクフォースと略す)の司令官に任命された。

マクリスタル将軍は、高まる暴力行為の背後に誰がいるのかを見つけ、それを終わらせるという羨ましがられない任務を与えられた。しかし、2004年の早い時期に、マクリスタルは兵員数、装備、訓練の圧倒的な優位にもかかわらず、タスクフォースがこの戦いに負けつつあることを悟った。

この状況を克服するためには、精密特殊作戦タスクフォースの攻撃回数を増やす以上のことを必要とした。タスクフォースの兵士自身の頭の中に限らず、米国陸軍で数百年にわたり築いてきた伝統的な知恵に至るまでのいくつもの複雑な課題を解決しなればならなかった。マクリスタルは伝統的な知恵を否定して、このあらたな脅威に対抗する別の方法を見つけなければならなかった。

敵は現代のゲリラ戦争を仕掛けている。小規模の独立したチームで構成され、素早く攻撃すると民間人の中に紛れ込んでしまう。これらのチームは、小規模チームを定義する多くの良い特長を示していた。彼らは敏捷で状況への順応性が高い。共通の目的と状況認識を共有している。そして、実行する権限を与えられていた。勝つためには、タスクフォースもこれらの特長をまねて、ラマーディーやモースルの市街地で実践してみなければならないとマクリスタルは知っていた。

彼は小規模チームの持つ強みである状況への適応性を大規模部隊のレベルまで格上げさせるために、戦争の真っ最中にタスクフォースを全面的に作り変えることを始めた。これを行うために、兵士と将校のチームをチーム・オブ・チームズに転換する必要があった。

この新しい組織は透明性の考えに基づいており、誰もが常時何が起こっているのかを承知している。この状況認識を共有することで、以前は分散されていたタコつぼの中のチームが、同じ使命のもとで結束し、強調して行動し、革新していくことを可能にした。意思決定の権限がチームのレベルまで降ろされ、メンバーが迅速に行動できるようにした。

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