ハワイで暮らすほど幸運ではなかったわれわれも、煉瓦壁の後ろから外をのぞいてみることを考えるべきだ。核攻撃の可能性は現実的なものだ。まだ起きていないが起きるだろう。幸いなことにハワイの晴朗な土曜日の朝には起きなかったが、どこかでいつか起きる可能性がある。もしそうなったらあなたは何をするかわかるだろうか?

私のような災害専門家は、戦場の霧(指揮官から見た不確定要素)の中ではなく、前もって推定できるように、想像上の災害の真っただ中に自分を置くことによって、災害に備える。われわれはそれをシナリオと呼ぶ。シナリオはあなたにとっても有用でありうる。

今あなたができる最善なことの一つは数分の時間をとって最悪のシナリオにおけるプロセスを経験することである。

3月の雨の土曜日の午後2時35分。長椅子に座り昼寝をしているとき、携帯電話が鳴る。しかし聞きなれた着信音のかわりに、非常に大きな緊急事態警告音が鳴り響く。画面のメッセージに目を奪われる。

「緊急事態警報。弾道ミサイルの脅威が迫っています。ただちに避難してください。これは訓練ではありません…

それで、今、何をするのか?考えられないことが起きて、向かってくるミサイルの緊急事態警報があなたの世界をひっくり返すとき、あなたは何をするのだろうか?

まず生き延びるということを知るべきである。自分を守るために間髪なくいくつかのことをするならば。そのときあなたを守るための3つのことがある。時間、距離、覆いである。走る時間はないので覆いによって放射線への暴露を最小限にする。厚いコンクリートと煉瓦の壁の内側に可能な限り速やかに隠れる。最寄りの地下室あるいは窓のない部屋の中に入れればそのほうが良い。その場にとどまり、いつ安全に立ち退けるかニュースと地元係官の指示を聞く。マントラを思い出そう。屋内へ入れ、屋内にとどまれ、チャンネルを合わせて。

パラレルな宇宙にいるならば、何かをすることは何もしないよりも常に好ましいということを思い出そう。差し迫った危険から抜け出たならば、次なる最善のステップは小休止をとることだ。深く息を吸う、ゆっくりと息を吐く、トカゲ脳によって損なわれたものを回復し始める。あなたの生活を取り戻すために高度に発達した脳を感覚と組み合わせて使うと自分自身に言うのだ。

実際に核攻撃があった場合には、住民は最長14日間、または立ち退いても安全だと言われるまでは、屋内に入り避難所にとどまるよう指示されるだろう。

14日間は長い。

もし前もってやるのであれば、その14日間がずっと容易になるだろういくつかの単純なことがある。その状況にいることがどのようなものか、一瞬でも熟考してみれば、結果的にそれらのいくつかがあなたの心の中で形のあるものとなり始めるだろう。あなたがしなければならないこと、あなたが連絡を取り合わなければならない人たち、あなたが必要とするものだ。ここにあなたのためのもう一つのマントラがある。携帯すべきものは何か、頭に入れておくべきことは何か、自宅に備え置くべきものは何か、を知れ。