WGでは移動時間短縮へ鉄道重視の方針を示したが、運行停止とのせめぎあいが課題となる

内閣府は13日、第3回「洪水・高潮氾濫からの大規模・広域避難検討ワーキンググループ(WG)」を開催。内閣府や国土交通省、東京都のほか、江戸川区、墨田区、足立区、葛飾区、江東区の「江東5区」エリアの関係者も出席した。洪水時のこのエリアからの域外避難について話し合われ、避難距離より時間の短縮と鉄道利用を重視する姿勢を示した。

荒川や江戸川の氾濫時、5区で151万人が域外避難の必要性があると算定。徒歩、自動車、鉄道の3つでの避難を想定し、時間などを算出した。住民アンケートを基に、移動距離の短さを重視した避難だと徒歩32%、自動車28%、鉄道40%だが、時間を重視するとそれぞれ40%、11%、49%に変化する。

1947年のカスリーン台風クラスの来襲があった場合、徒歩と自動車のみでは域外避難完了に6~24時間かかるが、鉄道を活用できれば3~12時間に短縮できると算定。WGでは鉄道活用を推奨する方針を示した。

ただしカスリーン台風クラスだと、氾濫予定時刻の12時間前から地下鉄が、6時間前から全鉄道が運行停止になる見込みであるほか、深夜帯は原則運行されていない。このため氾濫の24時間前からの避難開始や、鉄道事業者への運行延長の要請が必要だろうとしている。

(了)