2. 親戚や友人の家などへの避難の検討

災害時に避難生活が必要な方に対しては、避難所が過密状態になることを防ぐため、可能な場合は親戚や友人の家などへの避難を検討していただくことを周知すること。

(内閣府 4月7日「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」から)


親戚や友人宅に行くことは、以前から勧められていましたが、国の通達で改めて避難所以外の選択として、親戚、友人宅の周知が挙げられています。

とはいえ、新型コロナウイルスの感染が心配なので高齢者がいる家には行けない、子どもがいる友人宅にも行きにくいなど、今まで以上に選択肢が狭くなっています。周知ができても、行けない、行かないという人も出てくるのではと思います。

ガイドでも

・避難所が分からない人が多数出る(体育館に行こうとして、3密なので、行くのを躊躇して、どこに行ったらいいか分からなくなる)
・感染を恐れて被災した自宅で生活する人が多数出る
・感染を恐れて、車避難する人がさらに増える
・可能であれば、トレーラーハウスの活用や、国有地で活用できるところ(財務省でピックアップして都道府県には情報提供されている)で応急的な施設を建設して活用することも考えられる
・ニュージーランドではキャンピングカーを自己隔離用に設置(ニュージーランドのコロナウイルスに関する現状 17)

(ガイドから)


などの指摘があります。

3. 自宅療養者などの避難の検討

自宅療養などを行っている新型コロナウイルス感染症の軽症者などへの対応については、保健福祉部局と十分に連携の上で、適切な対応を事前に検討すること。 

(内閣府 4月7日「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」から)


この文言から分かるように、まだ具体的な対策は検討されていない状況です。

しかし、ここは、相当大変な問題があると思ってください。

自宅療養者であっても、津波が来たら避難しなければいけません。しかし、自宅療養者が避難すれば、感染を拡大することになります。かといって発熱等のため、動けず避難できないということになれば、津波の犠牲者になってしまいます。津波浸水が予想されている所に自宅がある場合は、そこでは療養させないという方針が本当は必要なのです。

また、土砂災害警戒区域、豪雨で浸水が想定される場所で自宅療養する人も、同様です。これから出水期を迎えます。自宅療養者を水没危険地域で療養させないという方針がないのは、過去の災害の教訓を生かしていないことになります。新型コロナウイルス対策は、感染症関連部署のみで対策するのではなく、防災部門も一緒に対策をとっていければと思います。いざ災害が起こった時、想定外と言ってごまかさないためにも、国の方針にあるように、「保健福祉部局と十分に連携の上で、適切な対応を事前に検討すること」がどれだけ重要かわかっていただけると嬉しいです。

ぜひ、自治体の今後の方針に盛り込んでいただきたいです。

ガイドでも

・COVID-19 発症者を自然災害の危険性の高い地域で在宅治療させないような施策を行う 
・自然災害の危険性の高い地域に居住している場合、災害発生前に可能な限り被災危険度を 下げる(想定浸水域・土砂災害危険区域の場合は区域外に転居あるいは出水期前、早い時期から一時退避) ・自然災害の危険性の高い地域からの事前の全員転居あるいは退避は不可能と思われるので、発災直前・直後の避難計画、避難所運営計画、生活再建支援計画を策定しておく

(ガイドから)


と記載されています。

自宅療養者の避難も大きな問題に(写真はイメージ/出典:写真AC)


また、次の点も重要です。

複数人が同じ空間に居住するタイプの避難所(体育館、集会所などの従来の避難所のイメージ)では、自宅療養者(感染が明らかな人)、濃厚接触者、風邪様症状がある人が同じ場所に来てしまった場合で、居住環境の区別ができなかった場合、何らかの症状がある人や感染が疑われる人に排斥活動が起こる。

(ガイドから)


今まで、避難所は被災された皆さまの努力でトラブルに対応してこられました。でも、新型コロナウイルス対応に追われている医療関係者への心ない中傷を見ていると、今まで以上に避難所が殺伐としてしまうのではないかと心配しています。

それゆえガイドにも

感染に気をつけていても、感染してしまうことは誰にでもあり得るので、感染者を非難したり、差別するような言動はしないようにする(自分が感染してしまった場合にされたくないことはしない)よう呼びかける。

(ガイドから)


と書かれています。とはいえ、日常でできないことは災害時はもっとできなくなるので、災害対応に当たる方は、普段でもこのような差別や排斥につながらないように意識しておかないと、避難所運営だけうまくいくわけがありません。どうか、地域での差別が起こらないように日常でもご尽力していただければと思います。