画像を拡大 (出典: APRA / Prudential Practice Guide CPG 229 Climate Change Financial Risks)

オーストラリアの金融機関を独立した立場から監督している健全性規制機構(Australian Prudential Regulation Authority:略称APRA)は2022年8月に、同国の金融機関における気候変動リスクへの取り組み状況を調査した結果として、「Information paper - Climate risk self-assessment survey」を公表した。

調査は2022年3月に、APRAの監督対象となっている金融機関のうち、金融システム全体に対する影響が比較的大きいと評価された64機関を対象として行われている。その内訳は保険会社が41%、銀行などが33%、退職年金機関(superannuation trustees)が27%とのことである。なおタイトルが「self-assessment survey」となっているのは、この調査がアンケート調査に基づく自己申告ベースのものであり、アンケートへの回答内容が正しいかどうかをAPRAが確認していないためである。

本報告書は下記URLから無償でダウンロードできる。
https://www.apra.gov.au/information-paper-climate-risk-self-assessment-survey
(PDF 52ページ/約1.4 MB)


なお、APRAはこれに先だって2021年11月に、気候変動リスクに関する金融機関向けのガイドとして「Prudential Practice Guide CPG 229 Climate Change Financial Risks」を発表している。このガイドが発表されてから調査まで4カ月程度しか経っていないため、調査に対する影響は限定的だと思われるが、このようなガイドや調査結果が公表されるのは、オーストラリア政府が金融機関における気候変動への適応に関して問題意識を高く持っていることの現れといえよう。

本稿のトップに掲載した図は、このCPG 229から引用したもので、気候変動に関連する3種類のリスクと、これらが金融機関に対してどのような影響を与えうるかがシンプルにまとめられている。

本報告書の章立ては次のようになっており、調査項目は多岐にわたっている。

第1章:背景
第2章:ガバナンスと戦略
第3章:リスクマネジメント
第4章:計測(metrics)と目標
第5章:ディスクロージャー
第6章:(APRAの)見解

本稿ではこれらの中から、筆者が特に注目したデータをピックアップして紹介させていただく。