2010/11/25
誌面情報 vol1-vol22
防災やBCP対策上の課題が、全社的なリスクの中でどのような位置づけになるかを明確にするためにも、この点は特に重要になる。一方、リスクの分類の方法については、「世界的に確定された標準は存在せず、多くの企業が苦慮されている」と達脇氏は指摘する。そこで、トーマツでは、網羅性を判断するツールとしてリスクインテリジェンスマップを提供している(下記表を参照)。
インテリジェンスマップは、企業を取り巻くリスクを第1階層として①ガバナンス、②戦略と計画、③業務運営と経営インフラ、④コンプライアンス、⑤開示と報告と、大きく5項目に分類し、第2階層として①ガバナンスなら、「コーポレートガバナンス」と「倫理観」、②戦略と計画なら、「企業の責任と持続可能性」「外部要因」「計画」「経営戦略」といった具合に全16項目にカテゴリー分けしている。第3階層ではサブカテゴリーとしてさらに160もの具体的な項目を示し、第4階層で第3階層で挙げたそれぞれの項目の個別リスク例を紹介している。
例えば、BCPにおいて、サプライチェーン1社からの仕入れにすべて依存してしまっているというリスクがあるとすると、第2階層「サプライチェーン」の中の「サプライチェーン計画」に関するリスク。建物の耐震性に問題があれば、第2階層「外部要因」の「災害と壊滅的な損害」に関するリスクとして分類する、といった具合に活用できる。
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/02
-
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方