日本郵政の根岸一行社長は27日、郵便局で配達員の点呼が不適切に行われていた問題を受け、現在配備を進めるオンラインのデジタル遠隔点呼システムを「年度内に(約3000の)全集配局で運用開始したい」と述べた。報道各社のインタビューで語った。「現場がきちんと法令順守できる仕組み」の構築に向け、郵便局を指導・サポートする組織も2026年度中をめどに整備する。
 同社は26年度から3年間の中期経営計画の骨子で、法令順守と統治体制の強化を第一に掲げた。根岸氏はグループで不祥事が相次いだ背景について「(法令順守を徹底するための)システム的な投資が足りなかった」と指摘。再発防止に全力を尽くすと強調した。
 中期計画では郵便事業の収益性向上にも取り組む。法人向け物流を強化するほか、郵便局も「柔軟な運営の仕方を考える」として、窓口業務時間の見直しなどを検討する意向を示した。
 このほか、配達員などの人材不足に対応するため、年功序列型の賃金体系を改め「若い人の処遇が上がるよう検討を始めている」と表明。電動バイクの導入など女性や高齢者が働きやすい環境づくりも進める方針だ。 
〔写真説明〕インタビューに答える日本郵政の根岸一行社長=27日午前、東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)