JR東海は14日、建設中のリニア中央新幹線の品川―名古屋間に関し、目標とする開業時期をこれまでの「2027年」から「27年以降」に変更した。静岡工区のトンネル掘削工事を巡り、静岡県の川勝平太知事が水資源や環境保全問題を懸念して認めず、着工の見込みが立たない状況を踏まえた。
 品川―名古屋間の駅や車両基地などの工事実施計画を同日、国土交通省に認可申請。工事完了予定時期を「27年以降」と申請書に明記した。JR東海の丹羽俊介社長はかねて、「27年の開業は困難で、新たな開業時期を示すことはできない」との見解を示しており、これを明文化した。
 沢田尚夫常務執行役員は14日、東京都内で記者会見し、「断念ではなく、今の時点で27年は難しいということだ」と説明した。工期の見通しが立った段階で、完了予定時期の変更を申請する。大阪までの全線開業時期についても「影響が出てくる」と述べた。 

(ニュース提供元:時事通信社)