最大震度7を観測した能登半島地震で被害の大きかった石川県が、被災者の広域避難を急いでいる。被災地で断水や厳しい寒さが続く中、11日時点で学校などへの避難者は約2万3000人に上り、「災害関連死」のさらなる増加が懸念される。
 県は延べ232人をホテルなどへ2次避難させた。近隣の他県へも受け入れを要請し、11日は30人を愛知県内の名古屋空港へ自衛隊機で移送した。金沢市の施設にも同日までの2日間で約260人が避難する見込み。
 馳浩知事は災害対策本部会議で、孤立集落の約2500人についても「インフラ復旧のめどが立たず、孤立状態が長期化する」として、金沢市以南に集落の避難者を丸ごと2次避難させる必要性に言及。各市町長も同意した。
 石川県によると、死者は11日午後2時現在、関連死8人を含む計213人。珠洲市98人、輪島市83人、穴水町20人、七尾市5人、能登町4人などで、このうち関連死は珠洲市6人、能登町2人。連絡の取れない安否不明者は計37人となり、輪島市33人、珠洲市3人、七尾市1人だった。 
〔写真説明〕地震と津波で被害を受けた石川県珠洲市宝立町の住宅街。自宅の様子を見に来る人が見られた=11日午後
〔写真説明〕津波の被害を受けた石川県珠洲市の鵜飼漁港=11日午後

(ニュース提供元:時事通信社)