【サンパウロ時事】南米チリ中部バルパライソ州を中心に起きた森林火災は4日、乾燥や強風により火の勢いが増して家屋などへの被害が拡大し、死者は100人を超えた。迅速な救助や消火活動を行うため、リゾート地ビニャデルマルなどを対象に、3日に続いて夜間外出禁止令が出された。
 AFP通信によると、当局は4日、確認された死者が112人になったと発表した。数百人規模の行方不明者がおり、被害者はさらに増える可能性が高い。火災は数日前に発生。南半球の夏場を迎えたチリは、折からのエルニーニョ現象の影響もあり、週末の気温が40度に到達して空気が乾燥。政府は軍も動員して、消火や救助を急いでいる。
 チリでは、死者400人以上を出した2010年の大地震以来の大きな自然災害となった。2日に現場周辺の非常事態を宣言したボリッチ大統領は4日、犠牲者への哀悼の意を表した上で「再び立ち上がろう」と呼び掛けた。 
〔写真説明〕森林火災で焼けた車両=4日、チリ中部バルパライソ州(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)