2024/02/11
防災・危機管理ニュース
【カイロ時事】イスラム組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエルのネタニヤフ首相は、米ABCテレビとのインタビューで、パレスチナ自治区ガザ最南端の都市ラファへの本格侵攻に関し「われわれはやる」と明言した。ABCが11日、同日放映予定のインタビューの一部を公開した。
ネタニヤフ氏はハマスとの戦闘に関し、「勝利は手の届くところにある」と主張。ハマスの大隊が残るラファへの侵攻に反対することは「戦争に負けろと言っているに等しい」と語った。ガザ住民が退避できる「安全な通路を提供する」とも語った。
ハマスは11日の声明で、イスラエル軍がラファに侵攻すれば、戦闘休止に向けた交渉は「吹き飛ぶ」と主張。イスラエルをけん制した。
100万人以上が避難するラファで地上部隊の投入を含む侵攻が行われれば、民間人被害の一層の拡大は避けられない。サウジアラビア政府は声明で、ガザ市民に「深刻な影響」をもたらすと警告。ラファと境界を接し、ガザ住民の流入を警戒するエジプトは、侵攻すれば「平和条約は停止される」とイスラエル側に伝達したと報じられている。
一方、イスラエルのメディアは10日、ガザ最大都市ガザ市にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の本部施設地下で、ハマスが諜報(ちょうほう)活動で使っていた「データセンター」を軍が発見したと伝えた。
軍によると、過去2週間の作戦で、UNRWA本部施設の18メートル地下を通る約700メートルのトンネルに行き着いた。施設からトンネルに電力が供給されていたことを確認したほか、施設内で大量の武器を押収。軍は施設について「ハマスに使用されていた」と主張した。
UNRWAのラザリニ事務局長は、施設の地下に何があるかは「知らなかった」とX(旧ツイッター)に投稿。UNRWA職員はイスラエルの退避命令に従い、昨年10月12日に施設を去ったといい、施設がその後どのように使われたかは分からないと述べた。
UNRWAを巡っては、職員が10月7日のハマスによるイスラエル急襲に関与した疑いが浮上。イスラエルはUNRWAの解体を求めている。
〔写真説明〕国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の本部施設地下で、イスラム組織ハマスが使っていたとされるトンネルの内部を案内するイスラエル軍兵士ら=8日、パレスチナ自治区ガザ(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
![](/mwimgs/4/8/-/img_48a0bb8a4bf2f09dfa133185ffc4bb6d50790.jpg)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
3線モデルで浸透するリスクマネジメントコンプライアンス・ハンドブックで従業員意識も高まる【徹底解説】パーソルグループのERM
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとして掲げ、総合人材サービス事業を展開するパーソルグループでは、2020年のグループ経営体制の刷新を契機にリスクマネジメント活動を強化している。ISO31000やCOSO-ERMを参考にしながら、独自にリスクマネジメントの体制を整備。現場の業務執行部門(第1線)、ITや人事など管理部門(第2線)、内部監査部門(第3線)でリスクマネジメントを推進する3線モデルを確立した。実際にリスクマネジメント活動で使っているテンプレートとともに、同社の活動を紹介する。
2024/07/23
-
インシデントの第一報を迅速共有システム化で迷い払拭
変圧器やリアクタなどの電子部品や電子化学材料を製造・販売するタムラ製作所は、インシデントの報告システム「アラームエスカレーション」を整備し、素早い情報の伝達、収集、共有に努めている。2006年、当時社長だった田村直樹氏がリードして動き出した取り組み。CSRの一環でスタートした。
2024/07/23
-
「お困りごと」の傾聴からはじまるサプライヤーBCM支援
ブレーキシステムの開発、製造を手掛けるアドヴィックスは、サプライヤーを訪ね、丁寧に話しを聞くことからはじまる「BCM寄り添い活動」を2022年度から展開している。支援するのは小規模で経営体力が限られるサプライヤー。「本当に意味のある取り組みは何か」を考えながら進めている。
2024/07/22
-
-
危機管理担当者が知っておくべきハラスメントの動向業務上の指導とパワハラの違いを知る
5月17日に厚生労働省から発表された「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、従業員がパワハラやセクハラを受けていると認識した後の勤務先の対応として、パワハラでは約53%、セクハラでは約43%が「特に何もしなかった」と回答。相談された企業の対応に疑問を投げかける結果となった。企業の危機管理担当者も知っておくべきハラスメントのポイントについて、旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。
2024/07/18
-
基本解説 Q&A 線状降水帯とは何か?集中豪雨の3分の2を占める日本特有の現象
6月21日、気象庁が今年初の線状降水帯の発生を発表した。短時間で大量の激しい雨を降らせる線状降水帯は、土砂災害発生を経て、被害を甚大化させる。気象庁では今シーズンから、半日前の発生予測のエリアを細分化し、対応を促す。線状降水帯研究の第一人者である気象庁気象研究所の加藤輝之氏に、研究の最前線を聞いた。
2024/07/17
-
-
災害リスクへの対策が後回しになっている円滑なコミュニケーション対策を
目を向けるべきOTリスクは情報セキュリティーのほかにもさまざま。故障や不具合といった往年のリスクへの対策も万全ではない。特に、災害時の素早い復旧に向けた備えなどは後回しになっているという。ガートナージャパン・リサーチ&アドバイザリ部門の山本琢磨氏に、OTの課題を聞いた。
2024/07/16
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方