2024/03/20
防災・危機管理ニュース
日銀がマイナス金利解除を決めた。日銀が抑え込んできた長期金利が上昇基調を強めれば、国の借金に当たる国債の利払い費が増え、先進国で最悪の水準にある日本の財政状況は厳しさを増す。超低金利下で借金を重ねてきた放漫な財政運営は転換点を迎える。
政府は2024年度一般会計予算案で、国債の償還や利払いに充てる国債費を過去最大の27兆90億円とした。予算総額に占める割合は約24%。金利上昇を背景に、利払い費は27年度に15.3兆円と、24年度比で約1.6倍に増える見通しだ。
新型コロナ対策で借金を積み増したため、国と地方の債務残高は1200兆円を超える。政府は国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を25年度に黒字化する目標を掲げるが、内閣府の試算によると、25年度に1.3%の実質成長率を実現しても1.1兆円の赤字になる。
岸田文雄首相は「歳出改革の継続などで25年度のPB黒字化が視野に入る」と強調する。だが、現行の目標は国債利払い費を考慮していない。24年は中長期の財政健全化目標を本格議論する節目の年に当たり、財務省からは「膨らむ利払い費を含めて財政健全化を図れなければ、市場の信認を失いかねない」との懸念も出る。
少子高齢化や防衛力強化、自然災害に備えるためにも安定的に財源を確保する必要性が高まっており、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)分科会の増田寛也会長代理は「今後は経済環境、金融政策、金利の動向も十分注意していかなければならない」と警鐘を鳴らしている。
〔写真説明〕財務省の庁舎=東京・霞が関
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方