ロシアのペスコフ大統領報道官は25日、モスクワ郊外のコンサート会場で22日夜に起きた銃乱射事件後、「西側諸国といかなるコンタクトも取っていない」と述べ、米国などと捜査協力は行っていないと説明した。「われわれは独立して捜査に当たっている。(外国から)支援を受けることになっていない」と語った。
 事件では過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行を主張。在ロシア米大使館は今月7日、「過激派がコンサートを含む大規模集会を標的にする」可能性を警告し、米側はロシア側と情報共有していたと事件後に明らかにした。ただ、ロシア当局は国民向けの注意喚起をしなかった。
 ペスコフ氏はテロ対策には「全面的な国際協力が必要」と強調。一方で、ロシアのウクライナ侵攻で西側との対立が激化している現状を踏まえ、「現在、この協力は行われていない」と指摘した。
 実行犯とされる容疑者4人は23日に西部ブリャンスク州で拘束され、24日にモスクワに移送。テロ罪で起訴された。全員が中央アジアの旧ソ連構成国タジキスタン国籍とみられる。ロシア当局は25日、実行犯が使用した車の所有者を含む別の容疑者3人の拘束延長を裁判所に求めた。 
〔写真説明〕タジキスタンのラフモン大統領(左)とロシアのプーチン大統領=2月21日、カザン(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)