2024/04/04
防災・危機管理ニュース
日米比3カ国は米ワシントンで11日に開く首脳会談で、ニッケルなど重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化について合意する方向で調整に入った。経済、安全保障両面で威圧的な行動が目立つ中国への対抗を念頭に置いており、会談後に発出する共同声明への明記を検討している。日本政府関係者が3日、明らかにした。
岸田文雄首相は8日から国賓待遇で訪米する。10日にバイデン大統領と個別に会談。その上で、同時期に訪米するフィリピンのマルコス大統領を交えた3者会談に臨む。3カ国の首脳会談開催は初めて。
ニッケルは電気自動車(EV)用電池の材料で、フィリピンはインドネシアに次ぐ世界第2位の生産国。中国が東南アジアで獲得の動きを強めている現状を踏まえ、日米は今回、フィリピンとの連携を強化することにした。
欧州主要国やオーストラリアを含む同志国のネットワークの中に組み込む構想もある。日本政府関係者は「供給網は多様化が重要だ」と説明する。
会談ではまた、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化」で一致し、安保分野の協力推進を確認する。昨年6月に海上保安庁と米比の沿岸警備隊が南シナ海で初の合同訓練を行っており、日本政府は米比海軍が実施する警戒監視活動や共同訓練に海上自衛隊が参加することを検討している。
南シナ海では、領有権を争う中比の艦船の衝突が相次ぐなど緊張が高まっている。日米比の安保協力には中国をけん制する狙いがある。
フィリピンはバシー海峡を挟んで台湾の南側に位置する。中台関係が緊迫化する中、フィリピンとの連携強化は有事対応に関しても重要になるとの見方が日米に出ている。
〔写真説明〕握手する岸田文雄首相(左)とフィリピンのマルコス大統領=2023年11月3日、マニラ(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
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