2024/04/19
防災・危機管理ニュース
地震の規模(マグニチュード)が6.0以上の大地震発生前に上空で電子の数が変化する現象について、京都大の研究グループは19日までに、プレートや断層の粘土に含まれる水分が地震前の微小な震動で帯電し、上空に電気が伝わることで生じると発表した。
京都大大学院の梅野健教授(数理工学)は「前兆現象の仕組みを科学的に示すことができた。大地震を予知して警戒を促すシステムの実現が期待できる」と話している。研究成果は3月、国際学術誌の電子版に掲載された。
東日本大震災や熊本地震、能登半島地震などでは、地表から約300キロ上空にある電子が集まる「電離圏」で、発生約1時間前に電子の数に変化が生じる現象が観測されている。しかし、この現象が起きる仕組みは分かっていなかった。
研究グループは、大地震の震源付近の地質調査で、プレートや断層の境界面に粘土が含まれていることに着目。粘土に含まれる水分が地震直前の微小な振動で高温となって帯電し、その後に電気が上空に伝わることで電離圏の電子の数を変化させることを発見した。簡易な実験で再現し、同様の現象が生じることを確認したという。
〔写真説明〕京都大の時計台=京都市左京区
(ニュース提供元:時事通信社)
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