海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
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第96回:英国の企業や慈善団体におけるサイバーセキュリティー対策の実態
英国の企業や慈善団体におけるサイバーセキュリティ対策の実態。前回調査(2019年4月発表)から、特に慈善団体における取り組みの強化が進んでいる。
2020/04/14
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第95回:海外企業における新型コロナウイルスへの対応状況【続報】
BCMの専門家や実務者による非営利団体BCIが主に BCI 会員を対象として行った、新型コロナウイルスへの対応に関するアンケート調査(2回目)の結果。 3月31日から 4月1日までという短期間で行われ、64カ国の 394人から回答を得ている。
2020/04/07
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第94回:世界の地政学的リスクの最新状況を俯瞰できるリスクマップ
今回は、大手損害保険会社のMarshが2020年3月に発表した、世界の地政学的リスクの最新状況を俯瞰できるリスクマップを紹介する。本報告書においては貿易摩擦が地政学的リスクに与える影響が特に注目されている。
2020/03/31
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第93回:海外企業における新型コロナウイルスへの対応状況
BCMの専門家や実務者による非営利団体BCIが、新型コロナウイルスへの対応に関するアンケート調査を実施。その結果を公開した。アンケートの実施が3月16〜18日と短期間であるにもかかわらず、73カ国の638人から回答が寄せられました。
2020/03/24
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第92回:世界のBCM関係者の懸念は2020年もやはりサイバー攻撃
過去12カ月間に事業継続への影響があった事象の調査では、2019年版までは「IT・通信の途絶」(IT and telecom outage)がトップであったが、2020年版は「健康に関する問題」(Health incident)が逆転してトップ。ただし、今後、懸念される脅威に関しては、2019年と同じく2020年も、サイバー攻撃とデータ漏えいだと企業のBCM担当者はみているようだ。
2020/03/10
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第91回:働き方の柔軟性・多様性に伴う情報漏えいリスクの実態
英国、米国、およびベネルクス三国にある従業員100名以上の企業を対象として、2019年12月に行われた、企業における情報漏えいの実態に関する調査において、「IT Leaders」と「Employees」とのギャップが示された。
2020/03/03
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第90回:情報セキュリティーを支える「デジタルアイデンティティ」の現状と課題
米国のPonemon Instituteは2020年2月に、「The Impact of Unsecured Digital Identities」(以下「本報告書」と略記)という調査報告書を発表した。暗号鍵(cryptographic keys)とデジタル証明書(digital certificates)とを主な検討対象に、管理状況などに関して調査した結果をまとめたもの。さまざまな課題があることが浮かび上がる。
2020/02/18
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第89回:サステイナブルな世界の実現に向けての科学者の視点
筆者は組織や社会のレジリエンスと地球環境のサステイナビリティとの間には密接な関係があると考えているため、これまで本連載において気候変動やサステイナビリティに関する報告書を度々紹介してきたが、このたび「Future Earth」という国際学術プログラムより、サステイナブルな世界の実現に関して非常に広範囲にわたって論じられた報告書「Our Future on Earth」が公開されたので、紹介させていただきたいと思う。
2020/02/12
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第88回:クラウドサービスを活用する企業のセキュリティ戦略はどうあるべきか
ITセキュリティに関する様々なソリューションを提供しているRadware社(https://www.radware.com/)は、2020年1月に同社として9回目となる「Global Application & Network Security report」を公開した。本報告書は世界各国から収集されたアンケート調査の結果をもとにまとめられた、ITセキュリティに関する実態調査であり、回答者561人のうち45%が北米、28%がアジア太平洋地域(APAC)、16%が欧州・中東・アフリカ(EMEA)、そして11%が中南米からの回答となっている。
2020/02/04
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第87回:緊急事態下でのコミュニケーションに関する実態調査(2020年版)
BCMの専門家や実務者による非営利団体BCI(注1)は、緊急事態におけるコミュニケーションに関する実態調査の2020年版「Emergency Communications Report 2020」を2020年1月に発表した。この調査は2014年から毎年行われており、本連載で紹介させていただくのも今回で4回目となる(注2)。
2020/01/28
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第86回:米国が2020年に特に警戒すべき非常事態は何か
今回紹介させていただく調査報告書「Preventive Priorities Survey 2020」は、米国のCouncil on Foreign Relations(外交問題評議会)(略称 CFR)が2019年12月に発表したものである。CFRは1921年に設立された、外交問題や世界情勢を分析・研究するシンクタンクを含む非営利の超党派組織で、米国の対外政策に非常に強い影響力を持つと言われている。
2020/01/14
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第85回: 気候変動による海面上昇に直面する沿岸自治体を支援するために州が行うべき政策とは
今回紹介させていただく報告書「Preparing for Rising Seas」(海面上昇への備え)は、米国カリフォルニア州の「Legislative Analyst's Office」(LAO)という機関から 2019年12月に公開されたものである。LAO は、カリフォルニア州議会に対して財政および政策に関する助言を行う無党派の政府機関である。したがって本報告書は本連載でこれまでに紹介させていただいた報告書に比べて、より直接的に政策提言を行うことが意図された報告書となっている。
2020/01/07
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第84回: 世界の経営者が2020年に懸念しているリスクは何か
今回紹介させていただく調査報告書「Executive Perspectives on Top Risks 2020」は、世界各国の企業における経営層の方々1000人以上を対象として行ったアンケート調査の結果から、2020年に向けてどのようなリスクが懸念されているかを探ったものである。アンケート調査はノースカロライナ州立大学のプール経営学部(Poole College of Management)に設置されている研究機関であるERM Initiativeと、コンサルティングファームのProtivitiとの共同で2019年秋に行われ、調査報告書は2019年12月に公開されている。
2019/12/24
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第83回:地政学的リスクの現状と企業における対策状況
これまで本連載でご紹介してきた調査報告書の中には、様々な種類のリスクの高さを各国・地域ごとに比較して示したものがいくつかあった。例えば第71回でご紹介した『FM Global Resilience Index』(注1)では、自然災害リスクやサイバーセキュリティ、汚職対策の状況、社会インフラの整備状況などを含む12の観点からリスクを評価した結果を各国ごとに表示するようになっているが、これらの様々なリスクのうち、各国の政治や経済、治安の状況などに関連するリスクを総称して「地政学的リスク」(geopolitical risk)という。
2019/12/17
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第82回:英国における地域ごとの緊急事態対応に関する課題
本連載ではこれまで主に、企業など組織のレジリエンスに関する調査研究の成果を紹介してきたが、今回とりあげる英国赤十字社(British Red Cross)の報告書『People power in emergencies』(2019年11月発表)は、従来とは少し異なり、地域コミュニティのレジリエンスに関する調査報告書である。
2019/12/03
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第81回:11年間にわたって続けられているBCIのサプライチェーン・レジリエンス調査
これまで本連載では、BCMの専門家や実務者による非営利団体であるBCI(注1)によるサプライチェーン・レジリエンス調査の報告書を度々紹介してきたが(注2)、今年も例年通り、11月5〜6日にロンドンで開催された「BCI World Conference and Exhibition 2019」の1日目に今年の調査結果のお披露目があり、出席者に報告書が配布された(現在は後述の通りBCIのWebサイトからダウンロードできるようになっている)。そこで今回はそのBCI Supply Chain Resilience Reportの2019年版を紹介する。
2019/11/19
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第80回:企業活動にかかわる様々なリスクを経営層や監査役がどのように認識しているのか
米国に本拠地を置く内部監査人協会(The Institute of Internal Auditors:IIA)(注1)は、2019年10月に調査報告書『OnRisk 2020: A Guide to Understanding, Aligning, and Optimizing Risk』を公開した。これは2019年6月に、北米地域の企業の取締役、役員、および監査役を対象として実施された調査の結果をまとめたもので、次の11種類のリスクに対する、調査対象の方々の理解度合いや認識状況が分析されている。
2019/10/29
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第79回:事業継続マネジメントに関するROIはどのように測るのか?
BCM用ソフトウェアやコンサルティングを提供しているClearView社(注1)と Assurance社とが共同で、2019年10月に「2019 Business Continuity Benchmark Study」という調査報告書を発表した。これはアンケート調査に基づく、BCMに関する実態調査であり、このような調査そのものは既に様々な組織によって行われているので、読者の皆様も特に目新しさは感じないかもしれない。しかしながら本報告書がユニークなのは、アンケート調査の実施にあたってBCM に関する3つの非営利団体(BCI、DRII、ACP)(注2)の協力を得て行われているという点である。
2019/10/15
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第78回:BCM関係者は「破壊的テクノロジー」とどのように付き合っていくのか
読者の皆様は「破壊的イノベーション」(disruptive innovation)という言葉を聞いたことはおありだろうか? これは1995年にハーバード・ビジネス・レビューに掲載された論文で最初に用いられた言葉で、新たなテクノロジーによって既存の秩序を破壊し、ビジネスや業界の構造を劇的に変化させるようなイノベーションを指す。「破壊的テクノロジー」(disruptive technology)もこれとほぼ同時に生まれた造語で、既存のテクノロジーに完全に取って代わって破壊的イノベーションをもたらすようなテクノロジーの総称である(注1)。 BCMの専門家や実務者による非営利団体であるBCI(注2)が2019年9月に発表
2019/10/08
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第77回:情報セキュリティのパフォーマンスがどのようにビジネスに寄与するか
Forrester Consulting社(注1)はサイバーセキュリティに関する格付けを提供しているBitSight社からの委託を受けて行われた調査結果として、2019年9月に「Better Security And Business Outcomes With Security Performance Management」という調査報告書を発表した(本稿で「セキュリティ」とは情報セキュリティを指す)。
2019/09/24
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第76回:取締役の関与こそサイバーセキュリティ対策の要である
英国に本拠地を置くコンサルティングファームGrant Thornton UK LLP(注1)は、2019年7月にサイバーセキュリティに関する調査報告書『Cyber security: the board report』を公開した。この報告書の副題は「いかに取締役がビジネスにおけるサイバーアタックによる影響を減らせるか」(注2)となっており、主に取締役等を対象とした問題提起となっている。
2019/09/03
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第75回:BCMの関係者が考える組織のレジリエンス
BCMの専門家や実務者による非営利団体であるBCI(注1)は、組織のレジリエンスに関するアンケート調査の結果を『Organizational resilience: Perspectives from the industry』という報告書として2019年7月に発表した。アンケート回答者の多くがBCI会員(つまりBCM関係者)だと思われることから、この調査結果はあくまでもBCM関係者が組織のレジリエンスをどのようにとらえているかを表すものと考えるべきであろう。
2019/07/30
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第74回: IT途絶を招いた最大の原因は何か
データバックアップやITシステムの災害復旧などのサービスを提供している英国のDatabarraks社は、ITのレジリエンスやサイバーセキュリティなどに関する調査報告書として、2019年7月に「Data Health Check 2019」を公開した。
2019/07/16
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第73回:GDPR導入後の英国におけるサイバーセキュリティの実態
英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(Department for Digital, Culture, Media and Sport)は2019年4月に「Cyber Security Breaches Survey 2019」という報告書を発表した。これは英国内の企業と慈善団体(businesses and charities)を対象として、サイバーセキュリティに関する実態調査を行った結果をまとめたものである。
2019/07/02
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第72回:DDoS攻撃の発生状況とその実態
これまで本連載でたびたび紹介してきた、BCI(注1)による Horizon Scan Report(注2)によると、世界のBCM関係者が今後12カ月間に最も懸念される脅威は4年連続で「サイバー攻撃とデータ漏えい」(Cyber attack & data breach)となっている。また同じくBCIから発表された「Supply Chain Resilience Report」(注3)によると、世界のBCM関係者が過去12カ月間に経験したサプライチェーン途絶の原因の中で「サイバー攻撃とデータ漏えい」は 2013年から急増しており、2015年以降は2~3位の間で推移している。したがってサイバー攻撃はBCM関係者にとって最も警戒すべき脅威の一つと言える。
2019/06/25