写真を拡大 (出典:Future Earth / Our Future on Earth, 2020)

筆者は組織や社会のレジリエンスと地球環境のサステイナビリティとの間には密接な関係があると考えているため、これまで本連載において気候変動やサステイナビリティに関する報告書を度々紹介してきたが(注1)、このたび「Future Earth」という国際学術プログラムより、サステイナブルな世界の実現に関して非常に広範囲にわたって論じられた報告書「Our Future on Earth」が公開されたので、紹介させていただきたいと思う。

本報告書をとりまとめた「Future Earth」とは、サステイナブル(持続可能)な世界の実現を目指す国際学術プログラムで、20カ国以上に事務所を持ち(注2)、国際学術会議(ISC)や UNESCO、UNEP、国連大学などといった国際的な組織によって運営されている。

本報告書の目次は次のようになっており、気候変動から政治、経済、食糧問題、ソーシャルメディアに至る幅広い課題に言及されている。本稿においてはこれらの中から、特に当サイトの読者の皆様の関心が高そうな部分をピックアップして紹介する。

- Introduction(前書き)
- Global Risks(世界規模でのリスクの概観)
- Climate(気候変動)
- Politics(政治の動向)
- Ocean(海面上昇)
- Forced Migration(強制移住)
- Media(ソーシャルメディアの悪影響)
- Biodiversity(生物多様性)
- Finance(経済・財務)
- Food(食糧問題)
- Transformation(サステイナブルな世界への転換)
- Digital Innovation(デジタル・イノベーション)

まず本稿のトップに掲載した図は、「Global Risks」というセクションからの引用で、52カ国の科学者222人に対して、地球全体におよぶ危機(global systemic crisis)を招きかねないリスクと、それらの相乗効果についてアンケート調査を行った結果をまとめたものである。

本サイトにアクセスされる方々の中には、このような図に見覚えのある方も少なくないであろう。実はこれは世界経済フォーラムが毎年公開している「The Global Risks Report」にならったもので、実際に「The Global Risks Report」に記載されている上位30のリスク項目を、アンケート調査における選択肢に用いたことが、本報告書でも記載されている。

本家の「The Global Risks Report」も 2020年版が既に公開されており(注3)、その5ページ目に同様の図が掲載されているが、これと本稿のトップに引用した図とを比較すると、いくつか違いがあることに気づく。これは恐らく調査対象の違いによるものであろう。「The Global Risks Report」での調査対象は政治、経済、学術界などにおけるリーダー層が中心であるのに対して、本報告書における調査対象はサステイナビリティに関わる分野を中心とした研究者である。このような回答者の関心や当事者性の違いが調査結果に反映されていると考えられる。

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