第98回:新型コロナウイルスの影響による英国での在宅勤務の実態
Moneypenny / Over half of Brits are happy to work from home for as long as is needed
合同会社 Office SRC/
代表
田代 邦幸
田代 邦幸
自動車メーカー、半導体製造装置メーカー勤務を経て、2005年より(株)インターリスク総研、(株)サイエンスクラフト、ミネルヴァベリタス(株)にて事業継続マネジメント(BCM)や災害対策などに関するコンサルティングに従事した後、独立して2020年に合同会社Office SRCを設立。引き続き同分野のコンサルティングに従事する傍ら、The Business Continuity Institute(BCI)日本支部事務局としての活動などを通して、BCMの普及啓発にも積極的に取り組んでいる。国際危機管理学会(TIEMS)日本支部理事。一般社団法人レジリエンス協会幹事(組織レジリエンス研究会座長)。環境経営学会幹事(企業の気候変動に対する「適応」研究委員会メンバー)。政府会計学会会員(社会リスク研究部会メンバー)。
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英国で電話代行サービスなどのソリューションを提供しているMoneypenny社は、新型コロナウイルスの影響によって在宅勤務を強いられている2000人を対象として、在宅勤務の実態を調査し、その結果を同社のブログで発表した。調査報告書という体裁にはなっていないものの、時宜を得た調査であり、読者の皆様の関心も高いのではないかと思われるので、本稿で紹介したいと思う。
本稿のトップに掲載した図は、在宅勤務の際に仕事場として使っている場所を尋ねた結果である。最も多いのはリビングで24%、次いでダイニングが15%、寝室が12%となっている。この結果についてブログでは、まず机やテーブルがあることが最も重要視されていると指摘している。ちなみに図中の「Makeshift Home Office」とは間に合わせのホーム・オフィス、「Hallway」とは玄関のホールや廊下のことである。
またブログでは、在宅勤務による習慣や時間の使い方の変化にも着目している。図1の上側は、在宅勤務の際の起床時刻を「始業時刻よりどのくらい前か?」という形で尋ねた結果である。最も多いのは始業時刻の1時間前に起きるというもので42%、次いで30分前という回答が17%である(図では始業時刻が9時だと仮定した場合の起床時刻で示されている)。
図1の下側は昼食時間について尋ねた結果である。回答者の46%は通常通りの昼食時間を確保しているが、28%はオフィスで勤務していたときよりも昼食時間が短くなったという。ブログでは、自宅では気が散るような要因が多い上に子どもの面倒をみることなどによる追加的なストレスが、オーバーワークを招いている可能性があると指摘されている。