連載・コラム
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第63回:英国規格協会による「組織レジリエンス」指標に関する調査結果(2018年版)
かつて本連載で、BSI(英国規格協会)が開発した組織レジリエンスの評価指標「Organizational Resilience Index」と、その指標を用いて行った調査結果の報告書『BSI Organizational Resilience Index Report 2017』を紹介したが、2018年11月にその2018年版が発表された。本稿ではこれを2017版からの変更点に特に注目して紹介する。必要に応じて2017版の報告書と、これを紹介させていただいた拙稿(注1)をあわせてお読みいただければ幸いである。
2019/01/15
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第62回:BCM担当部門に求められる他部門との協働
事業継続マネジメント(BCM)の専門家や実務者による非営利団体である BCI(注1)は2018年11月に新しい調査報告書「Continuity and Resilience Report 2018」(以下「本報告書」と略記)を発表した。これは事業継続に関連する分野である情報セキュリティ、リスクマネジメント、物理的セキュリティ(physical security)といった分野との関係を通じてBCMの役割を明らかにすることを意図してまとめられたものである。本稿では本報告書の中から、前述の各分野の担当部門との協働に関する部分をピックアップして紹介する。
2018/12/18
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第61回:英国の金融業界におけるITトラブルに関する実態調査
英国の金融行動監督機構(Financial Conduct Authority:FCA)が2018年11月に発表した調査報告書「Cyber and Technology Resilience: Themes from cross-sector survey 2017-2018」では、英国内の296の金融機関を対象として、2017年10月~2018年9月までの1年間におけるIT関連のトラブルの発生状況を調査した結果がまとめられている。これは2018年7月にFCAがイングランド銀行および英国の健全性規制機構(Prudential Regulatory Authority)と共同で発表したジョイント・ディスカッション・ペーパー「Building the UK financial sector’s operational resilience」(注1)に関連して作成されたものである。
2018/12/11
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近代横浜築港の<暗い>夜明け~英蘭技師の暗闘、政府間対立、防波堤崩壊~
私は横浜国立大学の非常勤講師として横浜市に出向く際、かねてから関心のあった明治初期の横浜築港の経緯を調べてみた。横浜市立図書館、横浜開港資料館などに出向き資料収集に当たった。横浜築港に関心を持った最大の理由は、近代日本「港湾の父」廣井勇(東京帝大名誉教授)が名著「日本築港史」の中で初期横浜築港のあり方を外国人お雇技師に振り回された「失敗例」として手厳しく批判していることにあった。以下、「日本築港史」や横浜市立大学教授寺谷武明氏の論文「横浜築港の黎明」などを参考にして、120年ほど前の無残な「失敗」の要因を検証してみる。
2018/08/06
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公共事業は国民の血税である~無駄遣いや談合はなくならないのか~
「官僚たちよ、気高い気骨を忘れていないか!」。近年相次ぐ安倍内閣やその周辺、さらには高級官僚による国民を愚弄するような暴挙の数々(いちいち挙げたら枚挙にいとまがない)。その腐敗した現実を知るにつれ上記のような怒りがこみ上げる。なぜ、公務員が違法な権力行使をするのか。国会で虚偽答弁を繰り返し心まで汚すのか。女性記者にセクハラ発言をしても詫びないのか。官界にはもう背筋を伸ばした「サムライ」はいないのか。権力・政界・業者からの忍び寄る黒い手を決然と断り、組織内の腐敗をいち早く断ち切る努力をすることが、選ばれた人(エリート)の与えられた使命ではないのか。内部告発の時代である。「組織と魚は頭から腐る」とは言い古されたことだ。将校・士官が下士官・兵と同レベル(または下のレベル)の倫理感では軍隊の規律は守れない。率先垂範すべき人物がこれでは戦いにはとても勝てない。
2018/07/17
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第51回:組織のレジリエンスの概念や評価手法に関する系統的レビュー
本連載では過去に、「レジリエンス」という用語が既存の論文などの中でどのように定義されているのかを調べた結果を2例ご紹介した。1つめは筆者がこれまでにアクセスした範囲内で書いたもの(注1)、もう1つは Sonny S. Patel氏を中心とするグループが「コミュニティのレジリエンス」の定義について系統的文献レビュー(systematic literature review)を行った結果である(注2)。前者のような場当たり的なものには学術的な価値はほとんど無いが、後者のように一定の方法論に基づいて行われた網羅的なレビューには学術論文としての価値が認められることがある。今回ご紹介したいのはそのような系統的な文献レビューの例である。
2018/07/03
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東日本大震災から7年~地元建設業者の奮闘、遠野市の被災地後方支援~
2011年の東日本大震災から7年を迎えた。大惨事を目の前にして、被災者の救出・支援をはじめ被災地の復旧・復興に、「生き地獄」の最前線に立って奮闘したのが地元建設業界である。彼らの危険を顧みない現場での作業ぶりは、地元自治体や自衛隊・警察・消防などの動きの陰に隠れがちであった。メディアに取り上げられたことも決して多くはなかった。だが、彼らの闘いがなければ今日の被災地の復旧・復興の姿はありえない。7年間、壊滅的被害を受けた現場で闘った地元建設業者の「生の声」をあらためて紹介したい。「あの時」を忘れないためである。また岩手県遠野市長・本田敏秋氏の「講演」は災害時の後方支援の在り方に多大な示唆を与えている。発言の一部を紹介し、関係機関などの再考を促したい。
2018/05/14







