危機管理担当者にお役立ち情報
連載・コラム
第248回: BCM関係者はオペレーショナル・レジリエンスをどのように捉えているか(2024年版)
今回紹介するのは、BCMの専門家や実務者による非営利団体であるBCIが2024年5月に発表した、オペレーショナル・レジリエンスに関する調査報告書の2024年版。BCIはこれまでオペレーショナル・レジリエンスに関する報告書を2022年、2023年にも発表しているが、この一年間でかなり認識が変わったことが伺える。
2024/06/05
高齢者を守る耐震化を全額公費で進めるべき
珠洲市、輪島市、能登町は5月23日、災害関連死30人を初めて認定しました。関連死は単に避難生活の過酷さが原因ではなく、総合的な社会システムが壊れたために発生します。筆者が特に重要だと考えるのは住宅の耐震化。耐震性不足は直接死の最大原因ですが、多くの関連死も生み出します。関連死の認定の内容と、住宅耐震化について考えます。
初夏の異常高温――5月の気象災害――
2019(令和元)年5月26日、筆者はアメダスの気温データに注目していた。北海道の上空に、真夏でもあまり見られないような高温の空気が流れ込んでいたからである。結局、佐呂間ではこの日、14時07分に摂氏39.5度の日最高気温を記録した。これは、5月に観測された気温としては、佐呂間町だけでなく、国内で最も高い記録となってしまった。
2024/05/28
リスクの3要素
企業にとって、リスク管理(ERM)の一義的な目的は、企業価値の変動を適切に管理し、倒産を防ぎ、継続的活動を担保することにある。企業の経済価値ベースの貸借対照表(Balance Sheet)の状況は常に変化している。例えば、資産サイドでは、工場や建物が自然災害によって被害にあったり、保有金融資産の市場価格が下落する。また、負債サイドでは、調達する原材料などの価格が高騰するなどの可能性が常に存在する。
2024/05/19
請求書を出さないとお金はもらえない
BCPと現実の対応とのギャップを、多くの企業に共通の「あるある」として紹介し、食い違いの原因と対処を考える本連載。今回も「BCPの実効性」を阻害する食い違いのなかから、事業継続戦略の「あるある」を取り上げます。お金にまつわる問題として、非常時における請求書の発行業務を考えてみます。
2024/05/14
能登半島地震と障がい者雇用の未来
4月16日、NHKハートネットTVで『能登半島地震と障害者②地域福祉の復興に向けて』に出演しました。輪島市や七尾市、能登町の通所事業所の事例が紹介され、それぞれが事業継続の危機に直面しながらも、前向きにがんばっている状況が放送されました。今回は障がい者の通う通所施設の現状と課題について考えます。
2024/05/08
リスクの定量的管理
事業活動を続ける限りリスクをゼロにすることはできない。また、企業価値を高めようとすると、リスクを積極的にテイクしなければならない。そして、リスクをいかに効果的に管理するか、つまり、利益発生の確率を高め、損失発生の確率を抑制することが「リスク管理」の機能といえる。
2024/04/29
乾燥する季節――4月の気象災害――
人間が生活し、社会が活動していく上で、湿度は高くても低くても、困ったことになる。湿度の高い日が続くと、農作物の生育に影響し、病害虫が発生しやすくなる。日常生活では、カビの発生や、洗濯物が乾かなくて困るといったことが起こる。一方、湿度の低い日が続くと、火災が発生しやすくなる。また、ウイルスの動きが活発になって、風邪やインフルエンザの流行につながる。春は、このうち、特に湿度の低下に注意が必要な季節である。
2024/04/23
BCPの目的は「人命第一」なのか?
BCPで規定した計画と現実との間のギャップを、多くの企業に共通の「あるある」として紹介し、食い違いの原因と対処を考える本連載。第2章では「BCPの実効性、事業継続マネジメント、発生コスト」のなかに潜む「あるある」を論じています。前回は初動・災害対策本部について言及しましたが、今回は事業継続戦略の「あるある」を取り上げます。
2024/04/09
リスク管理の基本を学ぶ
2024/04/04
福祉避難所はどこまで機能したのか
内閣府や自治体が定める福祉避難所マニュアルの多くは、施設の被害が軽微で、ライフラインの停止も3日程度、職員もある程度参集してくることが前提になっています。しかし、能登半島地震における福祉避難所の苦闘を考えると、現在のマニュアルでは到底太刀打ちできません。今回の地震で浮き彫りになった課題と今後の方向性を考えます。
2024/03/25
気候工学:新しいテクノロジーは人類を気候危機から救えるのか
気候システムに対して工学的な介入をすることによって気候変動による影響を回避しようとする「気候工学」が注目を浴びています。
2024/03/21
対岸の山火事は"対岸の火事"か?
今回は気温上昇が引き起こす脅威として「山火事」を紹介します。湿度の高い日本では森林火災は起きにくいと言われていますが、過去の経験が当てはまらないのが、気候変動がもたらす災害の特徴。ひとたび大きな山火事が起きれば都市火災と同じような被害が出る可能性があり、とくに人の健康や旅客・貨物輸送への影響はビジネスにも深刻です。
早春の嵐――3月の気象災害――
3月の気象の特徴を一言で述べよと問われたら、何と説明するか。「天気が変わりやすい」「周期変化」「気温の変化が大きい」などの説明が並びそうだ。風についてはどうか。3月は風が強いというイメージを抱いている読者はおられるだろうか。本稿では、気候表に基づき、春の風の吹き方について考察してみる。
2024/03/20
第244回:緊急事態下でのコミュニケーションに関する実態調査(2024年版)
今回紹介するのは、緊急事態下でのコミュニケーションに関する実態に関する調査報告書。緊急事態におけるコミュニケーションのためのシステムもSaaS(Software as a Service)化が進んでいる状況が示されている。
2024/03/13
ESGによって見直しが迫られるリスク管理
将来の企業価値に影響を及ぼす非財務要素(ESG)の台頭により、リスク管理が新たな局面を迎えている。企業が今後の重要テーマである気候変動リスクや生物多様性リスクについて検討する場合において、改めてERMの機能や構造を検証することが重要と考えられる。
2024/03/09
仕掛けと工夫がなければ舞台はまわらない
BCPで規定した計画と現実との間のギャップを抽出し、多くの企業に共通の「あるある」として紹介、食い違いが生じる原因と対処を考える本連載。第2章では「BCPの実効性、事業継続マネジメント、発生コスト」のなかに潜む「あるある」を論じています。前回に続き、今回もBCPの実効性に関連して初動・災害対策本部の「あるある」を取り上げます。
2024/03/08
被災者の声を傾聴し、ビジネス復興の糸口を探る
一般財団法人危機管理教育&演習センター(EEC、代表理事:細坪信二)は、2月17日~18日の2日間、令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた七尾市や穴水町、輪島市の視察を行った。視察地は七尾市の和倉温泉や穴水町の漁港、輪島市の旅館やスーパーマーケットなど。今回から数回に分けて視察概要を紹介する(取材・執筆:EEC 川村丹美)
2024/02/27
いつどこの国でも大規模水害に見舞われる
近年の顕著な災害をもたらした大雨・洪水についても、一定程度は地球温暖化の影響があったことがわかってきています。そしてその大雨・洪水被害は、特定の地域だけでなく、世界中で発生しています。当然ビジネスへのダメージは大きく、特に製造や輸送への影響は甚大。それがいつどこの国でもあたり前に起こり得る状況になってきています。
2024/02/22
東京の大雪――2月の気象災害――
東京の大雪は2月に多い。これは、東京に大雪を降らせる南岸低気圧が2月に現れやすいことに起因している。今回は、東京の過去の大雪事例を観察し、留意すべきポイントを確認する。
第243回: 地球規模の気候変動を踏まえつつ自然災害を総括した報告書(2024年版)
世界最大級の保険・再保険ブローカーであるAonが、1年間に発生した自然災害の被害規模や発生状況のトレンドなどをまとめた報告書の2024年版。2023年に起きた自然災害では、トルコ・シリア地震が死者数と経済損失の両方でトップ、保険金支払額でも2位となっている。
2024/02/21
支援行動と迷惑行為を分けたもの
正月に起きた能登半島地震に関してさまざまな情報が飛び交ったことは、前回も記述しました。今回は政治家や著名人も含めた一般の支援活動に関する情報を取り上げます。政府の対応からボランティア活動まで賛否両論渦巻く状態ですが、危機管理の視点から、冷静にそれらを俯瞰してみたいと思います。
2024/02/15
早くトップを代替拠点へ連れていかねば⁉
BCPで規定した計画と現実とのギャップを抽出し、多くの企業に共通の「あるある」として紹介、その対処を考える本連載。第1章として「リソース制約と事業継続戦略の検討・見直し」のなかに潜むあるあるを論じてきましたが、今回から第2章として「BCPの実効性、事業継続マネジメント、発生コスト」のなかに潜む「あるある」を取り上げます。
2024/02/06
第242回:事業継続関係者から見た2024年の展望
今回紹介するのは、BCMの専門家や実務者による非営利団体であるBCIが2023年12月に発表した報告書。2023年がどのような年だったかを総括し、翌年がどのような年になりそうかを展望するような内容となっている。
2024/01/31
情報に踊らされないための訓練が要る
日本社会は論理的な反省や評価が不得意で、その場の感情論に流される傾向があります。能登半島地震でも本質からそれた非難が見られ、デマも流布しました。政治家や著名人が自らの政治信条を補強するため、事実確認もせず情報を拡散する行為も散見されます。これらに対する自浄能力を、我々の情報空間においてどう高めればよいかを考えます。
2024/01/30
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