連載・コラム
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第47回:インターネットバンキングにおける脆弱性の改善状況
米国に本拠地を置くPositive Technologies社は、情報システムの脆弱性のアセスメントやインシデント分析、アプリケーションやデータの保護など、情報セキュリティに関する様々な製品やサービスを提供している企業である。同社が 2018 年4月に発表した調査報告書「Financial Application Vulnerabilities」の 2018 年版は、銀行業における同社の顧客企業のインターネットバンキングについて脆弱性を調査した結果をまとめたものである。同社はこのような調査を毎年行っているようであり、本稿で紹介する2018年版には、2017年の間に調査された41の取引処理用アプリケーションに関する調査結果がまとめられている。なお調査対象のうち61%がスマートフォン用モバイルバンキング用アプリケーション(注1)で、残り39%がPCによる取引のためのアプリケーションとの事である。
2018/05/08
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エネルギー産業におけるサイバー攻撃対策の現状
近年、発電所や送電網など重要なエネルギーを担う社会インフラが、サイバー攻撃の主要なターゲットのひとつとして注目されている。実際に2015年および 2016年には、ウクライナの電力会社のPCが乗っ取られて遠隔操作されて大規模停電が発生しており、既に現実的な脅威となっている(注1)。また2018年3月には、米国のコンピューター緊急事態対応チーム(United States Computer Emergency Readiness Team; US-CERT)から、安全保障省(Department of Homeland Security; DHS)と連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation; FBI)との連名で、エネルギーなどのインフラを標的としたロシア政府のサイバー活動に関する警告が発行された(注2)。
2018/05/02
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政治的リスクやテロリズムの脅威を概観できるリスクマップ
世界有数の保険会社グループである Aon (注1)は 2018 年4月に「2018 Risk Maps」を発表した。「Maps」と複数形になっているのは、政治的リスクやテロ、政治的暴力など複数の事象に関するリスクマップが含まれているからで、本稿の下の方に記載した「報告書本文の入手先」のページにアクセスし、「Access the Interactive Risk Maps」と書かれた部分をクリックすると、リスクマップが表示される(注2)。ちなみに上の図は2017年第4四半期における「Risk of doing business」の評価結果を表示させたものである。
2018/04/24
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<没後55年記念特集>青山士のパナマ運河開削時代~青春の情熱、唯一の日本人土木技術者~その2
パナマ情勢は青山がシアトル滞在中の明治36年(1903)11月5日に急変し、パナマがコロンビアから分離独立を宣言する。翌6日、アメリカ政府はパナマ独立を承認する。アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトは、海軍力の増強とにらみあわせて、アメリカによるパナマ地峡での運河開削に強硬であった。大統領ルーズベルトの手法は帝国主義国家に突入するアメリカの「棍棒(こんぼう)外交」である。同月18日アメリカ・パナマ両国政府は、26条からなる運河条約(ジョン・ヘイ=ビュノオ・ヴァリア条約)に調印する。この条約は「パナマ人が調印していない条約」と呼ばれた。これによって、「パナマは、幅10マイル(約16km)の陸地及び水面下の土地の使用及び管理をアメリカに対して永久に譲与する」ことになるのである。1000万ドルの一時金、25万ドルの年金と引き換えに、アメリカはパナマ運河地帯の永久租借権を得ることになった。
2018/04/23
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<没後55年記念特集>青山士のパナマ運河開削時代~青春の情熱、唯一の日本人土木技術者~その1
「『その頃から、私の気がだんだん変になってきたんですよ』と、先輩(注:青山士〈あおやま・あきら〉)はなつかしげに笑いながらパナマ時代を回顧された。その精神の底には、なんとか全人類のための工事に参加しようという烈しい志が、大学生時代の青山さんの心につねに秘められていたのであろう。全人類の立場で仕事を選び、それを実行しようとする意志、このような人生観を培うことが出来たのは、青山さんが高校・大学時代、毎日曜日に通われた内村鑑三の影響がおそらく至大であろうと思われる(青山は生涯内村の唱えた無教会クリスチャンであった)」
2018/04/16
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佐倉藩・二大噺~<義民>佐倉惣五郎と幕末の老中・堀田正睦~
私は柏市に移り住んで以降、千葉県が生んだ古今の歴史上の人物に関心を持ち、その生き様を確認する旅を続けている。<義民>佐倉惣五郎はその中の一人であった。成田市、佐倉市などのゆかりの地を訪ね文献にもあたってきた。藩主堀田氏(佐倉藩)の圧政に抗議し将軍に直訴して妻子もろとも処刑にされ怨霊となった惣五郎。正義・人道のために一身をささげる<義民>の姿が歌舞伎・講談・浪曲の一大ヒットとなり民衆のヒーローとなった惣五郎。だが史実となると、確認できる文献は少なく、存在否定説も含めて諸説紛々としているのだ。将軍への直訴や処刑後怨霊になったとの説話は、実は惣五郎の死後ほぼ2世紀も経った江戸後期に創作されたものなのである。そこで『佐倉惣五郎』(児玉幸多)や「歌舞伎 東山桜荘子」(高橋敏氏ら鼎談)などを参考にして<義民>の実像と虚像に迫ってみたい。
2018/04/09
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欧州における気象災害の傾向を知る
EU加盟国各国の国立科学アカデミーによって構成されている諮問機関である European Academies' Science Advisory Council(略称 EASAC)は、2018 年 3月に「Extreme weather events in Europe」(欧州における異常気象現象)(以下「本報告書」と略記)という報告書を発表した。これは副題に「気候変動への適応のための準備:EASAC の 2013 年の研究に対するアップデート」と書かれているとおり、2013年11月に同じく EASAC が発表した「Trends in extreme weather events in Europe: implications for national and European Union adaptation strategies」(注1)という報告書に対するアップデートである(注2)。
2018/04/04
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