芸人であり絵本作家でもある西野亮廣さんが、Xでダウンタウンへの思いを綴り、投稿。その一連のやりとりの中で、上場企業の社員が「引用リポスト」のかたちでこう書きました。
「西野は大阪の平日ガラ空きの映画館で、3つの席を陣取って、スター気取りでフォレストガンプを寝転んで見てた笑」
これが大きな波紋を引き起こしました。内容だけの問題ではありませんでした。投稿主が実名を出し、プロフィール欄に勤務先である「株式会社SHIFT」の名を記載していたからです。投稿主は実在のSHIFT社員でした。西野氏はこの投稿に、すぐに反応しました。
「事実無根の作り話である」と否定。そもそも、フォレストガンプを映画館で観ていないこと、当時は芸能活動すらしていなかったことを説明。さらに「ダウンタウンさんは決して『横柄』ではない」と、発言全体の印象操作を強く非難しました。
西野氏は投稿主の所属企業名に言及したうえで、SHIFTが掲げる「挑戦者を応援する」というスローガンを引用しながら、「事実無根の作り話で挑戦者を貶めにかかる」姿勢に、上場企業としての倫理を問いました。
SHIFT社は即日、公式Xアカウントで謝罪しました。
「従業員の軽率な行動により、非常に不快な思いをおかけしたことを深くお詫び申し上げます」とし、社内調査のうえで処分を決定。再発防止に向けた教育と倫理感ある発信を行うと表明しました。
一方、問題となった社員は、実は情報経営イノベーション専門職大学の客員准教授でもありました。同大学は、契約を解除したうえで、学長名義で西野氏に謝罪する事態にまで発展しました。
つまり、この投稿は「個人の一言」では済まされず、企業の信頼、教育機関の信用、そして投稿主自身のキャリアすらも巻き込む事態に至ったのです。
仮に企業が「社員が個人として行ったことです」と説明しても、受け手の印象まではコントロールできません。実名や会社名が明記された投稿は、見る人によっては企業と結びつけて受け取られることがあります。たとえ企業側が迅速かつ誠実に対応したとしても、「なぜこうした投稿が出てしまったのか?」という疑問が残り、結果的に企業の印象に影響することもあります。
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