自然災害
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メイストーム―5月の気象災害―
気象に起因する痛ましい海難事故は後を絶たないが、1954(昭和29)年当時はもっと悲惨だった。北海道根室の南東海上に出漁していた小型のサケ・マス漁船は、無線設備を持たないものが多かった。それが、猛烈な温帯低気圧に巻き込まれたのである。「ゴ・ヒト・マル」あるいは「ゴトウ」と呼ばれる1954年5月10日のメイストームでは、409隻もの漁船が一度に遭難し、361人が死亡または行方不明となってしまった。この大量海難事故は、温帯低気圧の怖さと、気象情報を入手することの重要さを物語る。
2020/05/07
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第2波への備え進む
リスク対策.comでは、多発する自然災害や、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、各組織がどのように今年度の危機管理計画を見直そうとしているかを明らかにするため、アンケート調査を実施した。その結果、今年度は、新型コロナウイルスの影響などから売上が昨年度に比べ「10~30%減」になると見込む回答が最多となったものの、危機管理にかける予算については「昨年度とほぼ変わらない」が30.4%で最多となった。ただし、「決めていない」も26.1%と多く、今後、売上や危機管理関連への投資の必要性などを見極めて決定していくものと考えられる。
2020/05/06
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コロナ危機への対応を通じて今、見直すべきことは何か(その1)
新型コロナウイルス感染拡大への対応で困難な状況にある日本社会において、医療と経済の双方を守る危機管理のあり方が求められている。政府による緊急事態宣言が発出さ れる中、6 人の危機管理分野のエキスパートがそれぞれの課題や提案を持ち寄り、日本の危機管理への提言をまとめるべく座談会に臨んだ。参加者は、日本大学危機管理学部の河 本志朗教授、名古屋工業大学の渡辺研司教授、防衛医科大学校の秋冨慎司准教授、日本政策投資銀行の蛭間芳樹氏、日本防災デザインの熊丸由布治氏、重松製作所の濱田昌彦氏。 司会はリスク対策.com 編集長の中澤幸介。
2020/05/03
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JICAタイ「新型コロナのグローバルSCへの影響と展望」ウェビナー開催
独立行政法人国際協力機構(JICA)タイ事務所/JST SATREPSプロジェクト主催によるウェビナー「新型コロナウイルスによる製造業グローバルサプライチェーンへの影響と展望」が4月30日開催され、タイなどASEAN諸国を拠点とする企業活動への新型コロナウイルス蔓延の影響や今後の展望について、1時間半にわたる議論がオンラインで交わされた。
2020/05/02
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クラスターを最小限に抑えるゾーニング・マネジメント
前回の連載第4弾目では、“武器としてのPPE”の解説をした。今回はPPEの適切な取り扱い(健康上の問題点、正しい装着の仕方、正しい脱ぎ方、脱着の際の適切な場所と環境)を含めた総合的なゾーニングのマネジメントについて解説する。
2020/05/01
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手話指文字=視覚言語(目で見る言葉)を知っていますか?
本題に入る前に、まず「手話」と「手話指文字」の説明をしたいと思います。手話とは、「山」「川」などの名詞、「食べる」「書く」などの動詞、「高い」「大きい」などの形容詞が基本で、両手で表現する視覚言語(目で見る言葉)です。名前などの固有名詞や単語表現が分からない場合には手話指文字を使います。
2020/05/01
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第18回:復旧対応の進め方
これまで3回にわたり、初動対応後に行うべきアクションとして被害の確認手順について説明しました。今回は、復旧対応を進めるにあたり重要なポイントを考えます。
2020/04/30
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家にいる時間は自分が成長できるチャンス
首都圏に緊急事態宣言が出されてから3週間近く。仕事のスケジュールも5月まで『バラシ』となり、すっかり家にいる時間が増えました。いつまでこの生活が続くのか…不安をあげればキリがありませんが、この機会を前向きにとらえ、自分が成長できる時間にしていきたいと思います! 必ず乗り越えられるから、みんなで頑張っぺ!!
2020/04/30
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出水期前に覚えておきたい「まれな雨量」
ある地域にとってまれな雨量であればあるほど、治水施設などの能力を超えて災害が発生します。ところで皆さんは、お住まいの地域でまれといわれる雨量をご存じですか? 例えば数十年に一度といったレベルの雨量です。今回の記事では「まれな雨量」を切り口に、気象情報から危険を読み解く方法をお伝えします。まれな雨量を覚えておくメリットをまとめた上で、自治体単位でのそうした雨量の調べ方や、豪雨発生時の雨量の確認方法をご紹介していきます。
2020/04/30
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第20回【足立区】携わってわかる「自分ごと」の大切さ
昨年の台風19号の際、足立区では避難所の混乱と世代による情報の偏りが問題となりました。これを真摯に受け止めた同区危機管理部災害対策課は、水防体制の強化に向けて5つの部会を設置。解決策の具体的な検討を進め、一部はすでに計画立案の段階に至っています。「自分たちで動く意識を職員一人一人に徹底したい」と、担当課のリーダーは力強く話します。
2020/04/28
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個人用保護具(PPE)は武器である
先週の連載第3弾目では最後に現場最前線で活動する医療従事者や救急隊員などへの感染例が報告されているという話をした。また現在、医療現場で圧倒的に不足(枯渇)している個人用保護具(以後PPEと呼ぶ)の問題を憂慮して、今回は基本に立ち戻り、PPEの基礎知識について解説しようと思う。
2020/04/27
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マンション被災で換気が重要な理由
自宅避難でまず気をつけなくてはならないのがトイレの問題。そして新型コロナウイルスなど感染症が蔓延しているときに重要なのが換気です。換気に関する情報を紹介します。
2020/04/24
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第4回 国際企業保険プログラム(GIP)の概要と組成時の留意点
欧米のグローバル企業が一般的に加入している、全世界のグループ会社を包括的に補償する保険プログラムがあります。グローバルプログラム、インターナショナルプログラム、マルチナショナルプログラム、GIP(Global Insurance Program)など呼び方はいくつかありますが、皆同じコンセプトのものです。
2020/04/23
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企業は感染症に勝てるか?
「月刊BCPリーダーズ」は災害や事故、感染症などの危機に対応し、事業継続をけん引する企業人(=BCPリーダー)に向けて、毎月1回お届けしているPDFテキストブックです。社内の回覧や共有、会議の参考資料などにもお使いください。
2020/04/23
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パンデミックの被害を最小限に留める
先週の連載第2弾目では、「バイアスがもたらす初動対応の遅れ」という話をした。特殊災害(CBRNE災害)では、初動対応の遅れや間違った判断は、問題解決どころかそれ自体が問題となってしまう可能性がある。それでは一体どのようにして迅速かつ適切な初動対応を実施すればよいのかについて、具体的な解決策を考えていきたいと思う。
2020/04/23
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温故知新
新型コロナの感染拡大を防ぐため、7都府県は事業者に休業を要請しましたが、飲食店、料理店などは時間制限などの条件付きで業務を継続しています。努力目標は「3密」で、これはもちろん重要ですが、さらに大切なことがあります。それは、店が提供した飲食物は客の体内に取り込まれるので、ウイルスの侵入が免れないということです。
2020/04/21
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深刻化する環境問題 背後に政治的対立
今年1月に世界経済フォーラムが発表した「第15回グローバルリスク報告書2020年版」は各界のトップリーダー750人以上に行ったアンケート調査の結果を反映、今後10年間に世界で起こり得るリスクを可能性と影響度で評価している。毎年1月に開催される世界経済フォーラム年次総会(通称:ダボス会議)の討論に活用され、各国の政府や企業の長期戦略策定にも影響を与えるとされている。
2020/04/20
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心の非常スイッチをONにせよ
厄介なことに人は誰しも例外なく各種の「バイアス」と呼ばれる心のメカニズムを持っている。その中の一つに「正常性バイアス」というものがあるが、それを説明するには9.11全米同時多発テロ事件の時に世界貿易センターの中にいた生存者の心理状態を分析するのが分かりやすいと思う。
2020/04/20
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今、災害が起こったときの避難所のリアル
新型コロナウイルスの感染拡大が心配される昨今、4月1日と7日に内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(避難生活担当)、消防庁国民保護・防災部防災課長、厚生労働省健康局結核感染症課長連名で、避難所における新型コロナウイルス感染症への対応に関する通達が出されています。
2020/04/17
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意外に知られていないピクトグラムの誤認!
普段何気なく目にしているピクトグラム。意外と間違った意味で覚えているかもしれません。前半は、間違えがちなピクトグラム。後半は、時代や必要に応じてピクトグラムが追加された事例を紹介していきます。
2020/04/17
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住宅火災 パート2
テレサ・Cによれば、彼女ともう一人のシングルマザーとその子供たちはアパートの中で一緒に暮らしていた。火炎が天井を突き破って落ちてきたとき、必死に持ち物を持ち出そうとした。安全なところまで走り、そこから距離をおいて建物が崩壊するのをじっとみていた。
2020/04/17
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内水氾濫の手がかりを探せ
「西日本から東日本では13日にかけて、東北では13日から14日にかけて、局地的に雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降り、大雨となる所がありそうだ」。この一文を読んで、皆さんは内水氾濫の危険性が高くなるのではとイメージできますか? 手がかりは「非常に激しい雨」や「激しい雨」という気象用語に隠れています。 今回の記事は、内水氾濫の可能性を気象情報から読み解ることがテーマです。そもそも「内水氾濫とは?」からはじめ、どういった場所のリスクが高いか、どのような情報が手掛かりになるかについて順に見ていきましょう。
2020/04/16
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第28回[最終回]:3つのステップによるメッセージの発信
災害や事故で企業が危機に直面した際、自社や利害関係者への影響を最小限にとどめるために行う情報開示活動を「クライシスコミュニケーション」という。事前に関係者の理解を得るために行う「リスクコミュニケーション」とは違い、危機によって生じる影響を軽減し風評被害を回避することが主眼だ。BCP的なクライシスコミュニケーションの効果と進め方を紹介する。
2020/04/16
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第17回:ライフラインや材料・部品に関する被害の確認
前回は、大きな地震に見舞われたときに生じる、建物・設備に関する被害の確認について説明しました。今回は、自社の製造・サービスを提供するにあたって不可欠なライフラインや材料・部品に関する被害の確認と、その後の対応について考えます。
2020/04/15
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第19回【千代田区・続編】企業の防災活動
「準備や訓練に時間をかけても災害が来なければ成果は発揮されない」「被災の体験がないので実際にどうなるかが想像できない」。そうしたところにも、防災担当者が主体的になれない原因があるのかもしれません。このハードルを乗り越えるには、何が必要なのでしょうか? 今回は千代田区の続編として、模索を続ける企業の防災リーダーを紹介します。
2020/04/15