第20回:防災活動の次に考えること その2
BCP策定の流れ①

本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、早稲田大学、東京医科歯科大学大学院などで教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2020/05/27
中小企業の防災 これだけはやっておこう
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、早稲田大学、東京医科歯科大学大学院などで教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
前回は、そもそもBCPとは何か、そしてその重要性について説明しましたが、今回は、実際にBCPを策定するに当たっての流れを確認します。
BCPは非常に重要であるということで、最初から完璧なものを目指したいと考え、なかなか手を付けることができないという企業があります。「着眼大局、着手小局」と考え、まずできるところから着手して、そこから少しずつ改善することによって、自社のBCPを実効性の高いものにしていくとよいでしょう。
具体的にBCPを策定する場合の流れを、(図1)に基づいて説明します。
①BCPの方針
BCPの方針は、次の3つを軸に決めます。
・人命(従業員・家族および顧客)を守る
・会社資産(建物・機械・設備など)を保全し、事業を速やかに復旧し継続する
・地域社会に貢献する
②BCPの体制
BCPを推進する体制は、すでに構築している防災活動のための社内体制を前提として構築するとよいでしょう。中小企業の場合は、従業員数が限られており、防災活動と事業継続活動を別々に考えると効率的ではないからです。
具体的な体制の例は(図2)の通りですが、それぞれのチームを構成するメンバーは、平常時の業務を踏まえて決めることが重要です。例えば、顧客対応チームは営業部門が、また従業員の安否確認は人事部門が担うという形です(表1)。
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