第19回:防災活動の次に考えること
BCP(事業継続計画)とは何か
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2020/05/13
中小企業の防災 これだけはやっておこう
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
これまで、中小企業が防災活動に取り組む場合、どのような手順で進めるべきか、そのポイントを説明してきました。
防災活動を行った結果、災害による被害が最小化できた場合でも、その後の復旧に時間がかかると顧客が失われ、自社の経営に大きな影響が出かねません。そこで、被災後は速やかに復旧を進め、事業継続につなげることが求められます。
今回からは、防災の次に考えることとして、BCP(事業継続計画)の概略を説明します。
過去の大きな災害、例えば阪神・淡路大震災や東日本大震災などによって、企業が甚大な被害を受け、その結果として自社の事業を継続できなくなった事例が多く見られます。また自社に被害がない場合でも、部品や仕掛品を供給する協力事業者が被災すると、その影響を受け、自社の事業を中断せざるを得なかった企業も多くありました。
このような状況に陥っても、企業が生き残り、そして顧客や社会への商品・サービスの供給責任を果たすために、BCPを策定することが重要です。
また法律においても「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律」、いわゆる「中小企業強靭化法」が成立し、2019年7月16日に施行されています。この法律のもとでは、中小企業のBCPを認定する制度のほか、中小企業の災害対応力の向上に向けてさまざま取り組みが行われています。
「事業継続ガイドライン―あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応―(平成25年8月改定)」[内閣府(防災)]では、BCPを次のように定義しています。
(1)中断した事業を元に戻して継続するためだけの計画ではない
BCPは「中断した事業をできるだけ短い時間で元に戻して、事業を継続していくためのもの」と考えている方が多いと思います。しかし、それ以前に不測の事態が起こった場合も、まずは事業を中断させないように準備しておくことが大切です。
それでも大きな地震が起こり、水害に見舞われた際には事業が中断することが考えられますので、残された経営資源を生かして事業を復旧させ、事業の継続を円滑に実現するための計画です。
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