遠地地震×津波警報×事業復旧判断
その時、あなたの会社は24時間をどう活用しますか?

八重澤 晴信
医療機器製造メーカーで39年の実務経験を持つ危機管理のプロフェッショナル。光学機器の製造から品質管理、開発技術を経て内部統制危機管理まで経営と現場の「翻訳者」として活躍。防災士として国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンDRR分科会幹事も務める。
2025/08/06
あなたの会社の危機対応力を鍛える新しいアプローチ
八重澤 晴信
医療機器製造メーカーで39年の実務経験を持つ危機管理のプロフェッショナル。光学機器の製造から品質管理、開発技術を経て内部統制危機管理まで経営と現場の「翻訳者」として活躍。防災士として国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンDRR分科会幹事も務める。
7月30日に発生したカムチャツカ半島付近M8.8の巨大地震と津波警報発令を受け、緊急企画として津波対応の訓練シナリオを考えました。
ロシア・カムチャツカ半島付近でM8.8の巨大地震が発生し、太平洋沿岸の広い地域に津波警報が発令されました。
・太平洋沿岸の複数自治体で避難指示発令
・推定約200万人が避難対象
・JR東日本・JR東海などで運転見合わせ
・成田空港・羽田空港で一部便に影響
・港湾施設の一時閉鎖。
※1952年カムチャツカ地震(M9.0)は日本時間で11月4日午前1時58分に発生。津波は約7〜10時間後に北海道から三陸沿岸へ到達し、最大1.2mを観測。揺れがなくても津波が来る「遠地津波」として被害が発生しました。
※1960年チリ地震(M9.5)では地震発生から約23時間後に日本に津波が到達し、最大8mの津波で三陸地方に甚大な被害をもたらしました。今回の地震も遠地地震の特徴です。 「時間的余裕」と「段階的悪化」への企業対応が問われています。
このような遠地巨大地震が発生した際、企業の皆さんはどのような対応を取られているでしょうか。
【前提条件】 【シナリオ】 【開始時刻(8:30)】環太平洋遠地でM9.0巨大地震発生、津波注意報発令。 【3時間後(11:30)】津波注意報→津波警報に切り替え。 【6時間後(14:30)】津波警報が強化され「明朝8時頃に津波到達確実、沿岸部は避難準備を」との発表。 【9時間後(17:30)】沿岸部自治体で避難指示発令開始。取引先工場から「明朝は操業停止」の連絡。明日の業務継続可否、職員の出勤判断などの検討が急務となる。 【翌朝(8:30・24時間後)】津波が日本沿岸に到達開始。港湾・空港の機能停止、物流網の麻痺が始まる。沿岸部の取引先工場で浸水被害、一部職員も出勤困難となり、事業復旧の判断が迫られる。
【追加で発生する課題】 ・時間的余裕による油断リスク:「24時間もあるから大丈夫」が準備不足を招く懸念 |
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