2025/06/18
防災・危機管理ニュース
【イスタンブール時事】英海事機関UKMTOは16日、ペルシャ湾とホルムズ海峡で電子妨害の増加が多数報告されていると明らかにした。イスラエルとイランの交戦激化で地域の広範囲で電子妨害は増えているものの、「ペルシャ湾内での水準と強度は船舶自動識別装置(AIS)による位置情報の報告に甚大な影響を与えている」と指摘した。
イラン南部から電子妨害が行われているとの報道もあるが、詳細は不明。ホルムズ海峡は世界の原油輸送の2割が通る大動脈で、中東へのエネルギー依存度が高い日本に向かうタンカーも多数通過する。
ホルムズ海峡に通じるイラン領海内では近年、イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」による拿捕(だほ)などの妨害活動が多発。2019年には同海峡近くで日本の海運会社運航のタンカーも攻撃された。
ホルムズ海峡を巡っては、イラン周辺で緊張が高まるたびに船舶の航行への影響を懸念する声が浮上する。今回のイスラエルによるイラン攻撃後も、同国の有力国会議員が「海峡封鎖を真剣に検討している」と発言した。
ただ、制裁で経済低迷が続くイランにとっても、ホルムズ海峡は原油や天然ガス輸出の生命線だ。封鎖すれば経済的な悪影響が跳ね返るリスクも大きく、可能性は低いとの見方が大勢だ。
〔写真説明〕ホルムズ海峡を通過する石油タンカー=2018年12月(ロイター時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- ペルシャ湾
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
カムチャツカ半島と千島海溝地震との関連は?
7月30日にカムチャツカ半島沖で発生した巨大地震は、千島からカムチャツカ半島に伸びる千島海溝の北端域を破壊し、ロシアで最大4 メートル級の津波を生じさせた。同海域では7月20日にもマグニチュード7.4の地震が起きており、短期的に活動が活発化していたと考えられる。東大地震研究所の加藤尚之教授によれば、今回の震源域の歪みはほぼ解放されたため「同じ場所でさらに大きな地震が起きる可能性は低い」が「隣接した地域(未破壊域)では巨大地震の可能性が残る」とする。
2025/08/01
-
巨大地震後に噴火 カムチャツカ半島・クリュチェフスカヤ火山地震と噴火の関係は?専門家に聞く
7月30日に発生した、カムチャツカ半島沖を震源とするマグニチュード8.7の地震は、遠く離れた日本の太平洋沿岸一帯に、広く警報を発令させるほどの津波をもたらした。さらにカムチャツカ半島では地震発生後に、クリュチェフスカヤ火山が噴火した。巨大地震がこの噴火の引き金になったのか。地震と噴火の関係について、火山と地震の観測が専門で、調査のために約20回もカムチャツカ半島に足を運んでいる、北海道大学理学研究科附属地震火山研究観測センター教授の高橋浩晃氏に聞いた。
2025/07/31
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/29
-
-
-
「想定外」を乗り越える力コカ・コーラ ボトラーズジャパンが挑む、危機管理の再構築
コカ・コーラ社製品の製造、販売、自動販売機のオペレーションなどを手掛ける、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は、2024年の能登半島地震を機に、危機管理体制の再強化に乗り出している。直接的な被害は免れたものの、系列他社の被災や支援要請の集中を通じて、情報伝達や意思決定、業務の優先順位といった多くの課題が顕在化した。同社は今、グローバル基準の危機対応フレーム「IMCR」の再徹底を軸に、全社一丸の再構築に踏み出している。
2025/07/21
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方