ダンプカーやごみ収集車など「特装車」と呼ばれる車両に装備する架装物を巡って価格カルテルを結んでいたとして、公正取引委員会が極東開発工業(大阪市)や新明和工業(兵庫県宝塚市)など計4社の独禁法違反(不当な取引制限)を認定する方針を固めたことが30日、関係者への取材で分かった。
 極東開発工業と子会社の日本トレクス(愛知県豊川市)には排除措置命令と課徴金納付命令を出す予定。課徴金は極東開発工業に約26億円、日本トレクスに約33億円となる見通し。
 新明和工業と子会社の東邦車両(横浜市)も違反認定されるとみられるが、課徴金減免制度に基づき、公取委の調査前に自主申告したため処分は免れるもようだ。
 関係者によると、極東開発工業と新明和工業は2021年9月以降、ダンプカーやごみ収集車、タンクローリーなど向けの9種類の架装物に関する情報交換を繰り返し、ディーラーなどへの販売価格を複数回引き上げることに合意した。9種類のシェアは両社合わせて7~8割に上るという。
 日本トレクスと東邦車両も同月以降、7~8割のシェアを占めるトレーラーを巡り、同様にディーラーなど向けの販売価格の引き上げで合意していた。4社とも原材料となる鋼材の価格高騰などを受けて利益を確保しようとしたとみられる。
 公取委は昨年11月、4社に立ち入り検査。極東開発工業は30日、公取委から処分案を受け取ったことを明らかにした上で、「グループを挙げてコンプライアンスの強化・徹底に努めていく」としている。 

(ニュース提供元:時事通信社)