感情によるナッジ
7月1日配信「中澤・木村が斬るニュース解説」より

大友 章司
北海道生まれ。名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程修了、博士(心理学)(名古屋大学)。専門はリスク心理学、応用心理学。災害時の避難行動や災害復興の心理プロセスに関する研究の他、消費者行動の心理学的研究なども行なっている。海外の学術誌などの論文多数。著書に『リスクガヴァナンスの社会心理学』など。名古屋市地域特性に応じた防災力向上検討委員会アドバイザー委員等を歴任。
2025/07/01
リスクに効く行動経済学
大友 章司
北海道生まれ。名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程修了、博士(心理学)(名古屋大学)。専門はリスク心理学、応用心理学。災害時の避難行動や災害復興の心理プロセスに関する研究の他、消費者行動の心理学的研究なども行なっている。海外の学術誌などの論文多数。著書に『リスクガヴァナンスの社会心理学』など。名古屋市地域特性に応じた防災力向上検討委員会アドバイザー委員等を歴任。
毎週火曜日、朝9時から30分間、PRO会員向けに生配信している「中澤・木村が斬る今週のニュース解説」。7月1日に配信した、関東学院大学准教授の大友章司氏による「リスクに効く行動経済学」では、感情によるナッジについて解説いただきました。
感情によるナッジは、人々の感情が行動に結びつきやすい、という心理的な特性を利用したものです。例えば、洪水を経験している人は、洪水の際に感じた不安や恐怖を思い出すので、その後の防災行動に結びつけやすいということが指摘されています。一方で、そのような経験がない人は、確かに洪水の時は大変だというイメージができても、ロジカルに大変だというイメージにとどまってしまうため、あまり防災行動に結びつかないことが指摘されています。
人々のリスク判断の意思決定には、システム1と呼ばれる感情的で直感的な判断を行うものと、システム2と呼ばれる、理論的で論理に基づいた評価を行う2つがあり、一般的にリスクの判断というのは、システム1が優先的に働くことが明らかにされています。そのため、感情に訴えるナッジというのは直感的な行動だったり、即座の行動を引き出す上では有効的なものとして考えられます。
番組の内容は、アーカイブからご視聴いただけます!
→https://www.risktaisaku.com/category/news_commentary/
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