2025/07/02
防災・危機管理ニュース
オンライン証券口座が乗っ取られて不正取引が繰り返されている問題で、野村証券など大手証券4社は1日までに、被害を受けた顧客への対応として、証券口座を被害前の状態に原状回復させる方針を決めた。売却された株式を改めて調達し顧客口座に戻すなどの手法が検討されている。
原状回復を決めたのはほかに、大和証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券。
補償の対象はいずれも「顧客に過失がないと判断した場合」(証券関係者)になるとみられる。「安易に補償に踏み切ると顧客のセキュリティーに対する認識が下がらないか心配だ」(別の関係者)との声もある。野村は担当役員や外部専門家でつくる委員会を立ち上げ、顧客ごとに対応を決める方針だ。
このほか、みずほ証券は対応方針を検討中。楽天証券は、ひとまず補償の対象となり得る顧客への通知を始めた。
口座乗っ取りは今春以降に表面化。金融庁によると、5月末までに不正取引が確認された証券会社は16社、売買金額は計約5240億円に上る。
金融商品取引法は証券会社に顧客の損失の補填(ほてん)を禁じている。しかし、日本証券業協会は今回の事態を重くみて、大手10社が一定の被害補償を行うと表明した。日比野隆司会長(大和証券グループ本社元社長)は7月1日の就任会見で、「信頼確保の観点から(各社が)詰め(の作業)を行っていると認識している」と述べた。
〔写真説明〕会見する日比野隆司日本証券業協会会長=1日午後、東京都中央区
(ニュース提供元:時事通信社)

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