2025/08/17
防災・危機管理ニュース
【シリコンバレー時事】トランプ米大統領がハイテク企業に圧力をかけ、自身が望む成果を引き出す「ディール(取引)」が相次いでいる。8月に入り、米アップルからはサプライチェーン(供給網)の国内回帰策を引き出したほか、米半導体大手エヌビディアなどとは中国での半導体売上高の15%を米政府に納めさせる異例の合意を取り付けた。強権的な介入には危うさも漂う。
「わが国の歴史上最大の投資ブームの中で、最大の確約の一つだ」。製造業の国内回帰を掲げるトランプ氏は6日、アップルのクック最高経営責任者(CEO)とホワイトハウスで会見し、誇らしげに語った。
クック氏はこの場で、特殊ガラスや半導体などスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」用部品の米国内での調達拡大計画と1000億ドル(約14兆7000億円)の追加投資を発表。背景には、アイフォーンを米国外で生産する場合、「少なくとも25%」の関税を課すと明言するなど、トランプ氏が圧力を強めていたことがある。
トランプ氏はまた、11日の会見でエヌビディアに中国向け人工知能(AI)半導体の売上高の15%を支払わせることで合意したと発表。4月の規制強化で停止されていた輸出を許可する見返りだという。トランプ氏は当初20%を要求したが、同社のフアンCEOの要望を受け15%で決着したと明かした。
いずれのケースも関税や許認可権といった政府の持つ権限を交渉材料にディールを迫った形だ。直近では米インテルのタンCEOに公然と辞任を要求した上で面会。近く、何らかの「提案」を持ってこさせるという。
大統領が企業と取引する状況について、英紙フィナンシャル・タイムズは論評で「法の支配に根ざした経済を、恣意(しい)的なディールに支配されたものにしている」と批判。大統領の圧力で企業の行動が左右される状況では、自由な競争が阻害され成長への原動力がそがれかねない。
〔写真説明〕米ホワイトハウスで握手するアップルのクック最高経営責任者(CEO、右)とトランプ大統領=6日、ワシントン(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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