2025/08/29
防災・危機管理ニュース
【北京、ソウル時事】中国の習近平政権は、北京で行われる軍事パレードの場で、ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との結束を演出したい考えだ。対立するトランプ米政権をけん制し、今後の対米貿易交渉で正恩氏との関係を切り札としたい思惑も透ける。
「正恩氏の出席を熱烈に歓迎する。中朝関係の強化は中国共産党・政府の確固とした方針だ」。中国外務省の洪磊次官補は28日の記者会見でこう強調した。香港メディアによると、北朝鮮の最高指導者が中国の軍事パレードに出席するのは1959年の故金日成主席以来となる。
2018年には正恩氏が3回にわたり中国を訪れ、「蜜月」ぶりを誇示していた中朝だが、首脳往来は19年を最後に途絶えた。新型コロナウイルスの流入を恐れた北朝鮮は20年初めに国境を封鎖。コロナ禍後は、北朝鮮がウクライナ侵攻を続けるロシアとの軍事協力を進めたことなどで中朝関係はぎくしゃくし、要人の交流も停滞した。ただ、最近は経済を中心に関係が修復しつつあるとの指摘も出ていた。
習政権は、正恩氏の訪中を契機に中朝の「血で固めた友情」が変わっていないとアピールする考えだ。対米共闘の観点から、プーチン氏も交えた3者会談を行う可能性もある。
習氏の念頭にあるのは、核・ミサイル開発を進める北朝鮮との対話再開に前のめりなトランプ大統領の動向だ。トランプ氏は今月25日、正恩氏と会談することに意欲を示した。習氏は正恩氏に対する影響力を保持していることをトランプ氏に見せつけ、対米交渉で優位に立つ狙いがあるもようだ。
一方、北朝鮮側にも対中関係を立て直したい事情がある。韓国政府系研究機関の専門家は「北朝鮮ではコメ価格の急騰が起きるなど食料事情が悪化している。今年10月の労働党創建80周年や来年の党大会を前に、住民の不満を抑える必要がある」と指摘。対外貿易の9割超を中国に頼る北朝鮮が経済支援を必要としていると分析した。
正恩氏はロシアに兵士を派遣し、プーチン氏との関係を緊密化してきた。しかし、今月15日に米ロ首脳が直接会談しており、プーチン氏にとっての「北朝鮮の重要性」が低下しかねないとの焦りも正恩氏にあるとみられる。
〔写真説明〕(写真左から)ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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