第15回 価値の高いBCPを実施するために
シミュレーション演習の4つのステップ
鈴木 英夫
慶應義塾大学経済学部卒業。民族系石油会社で、法務部門・ロンドン支店長代行・本社財務課長など(東京・ロンドン)。外資系製薬会社で広報室長・内部監査室長などを務め、危機管理広報・リスクマネジメントを担当(大阪)。現在は、GRC研究所代表・研究主幹、リスクマネジメント&コンプライアンス・コンサルタント(兵庫)。日本経営管理学会会員、危機管理システム研究学会会員。
2026/02/21
新 世界のリスクマネジメントの潮流
鈴木 英夫
慶應義塾大学経済学部卒業。民族系石油会社で、法務部門・ロンドン支店長代行・本社財務課長など(東京・ロンドン)。外資系製薬会社で広報室長・内部監査室長などを務め、危機管理広報・リスクマネジメントを担当(大阪)。現在は、GRC研究所代表・研究主幹、リスクマネジメント&コンプライアンス・コンサルタント(兵庫)。日本経営管理学会会員、危機管理システム研究学会会員。
模擬演習の実施は、効果的な事業継続管理(BCP)プログラムにおいて最も重要な要素の一つである。しかし、その重要性は依然として過小評価されがちだ。演習を企画する者も参加する者も、監査担当者を満足させるための単なるチェックリストの確認作業のように感じることがある。演習がこのようにしか捉えられていないと、真の価値は失われてしまう。
演習はコンプライアンス要件を満たす必要もあるが、単にやればいいというものではない。インシデント対応チームの体制が適切であること、事業影響分析の結果が正確であること、そして事業継続戦略と計画が妥当であることを確認するための最良の方法が必要だ。
多くの組織は、計画のウォークスルーと机上演習から始める。これらは、事業継続能力と組織のレジリエンスを評価する上で非常に効果的な方法だ。組織全体の様々なレベルのチームを巻き込み、計画と対応体制をテストするための理想的な手段となる。そして組織が直面する主要なリスクのいくつかを深く掘り下げることもできる。他方、注目すべき欠点もある。それは、チームが演習疲れを感じることもあるということだ。同じような構成の机上演習やウォークスルーを毎年実施すると、繰り返しになり、必ずしも期待どおりの結果が得られないのだ。
インシデントチームが十分な経験を積んでいる場合、レジリエンスをさらに高めるための次のステップは、「シミュレーション演習」*)に参加することだ。この用語の意味は人によって異なるが、最も重要な点は、シミュレーション演習が議論ベースの机上演習を超え、「実際の危機におけるようにチームに反応と意思決定を課す」ことで、シナリオに緊急性と現実感を与えることである。
*)訳者注:BCP(事業継続計画)におけるシミュレーション演習(Simulated Exercise)とは、「想定した災害シナリオに沿って、実際の動きを擬似的に体験するトレーニング」のこと。計画書を「作る」段階から、実際に「動ける」段階へ引き上げるための重要なプロセス。
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